トスカーナDOCG / DOCワイン試飲会「アンテプリマ・ディ・トスカーナ2016」

2 月13 日のフィレンツェは、とても冷たい雨だった。しかし翌週に天気は回復し徐々に暖かくなった。例年、底冷えのする大きな試飲会場だが、今年はそれほど寒さを感じなかった。

 

毎年2 月、トスカーナのすべてのDOCG/DOCワインがその年のプリムール、その年に市場にリリースするワインを一堂に集めて見せる「アンテプリマ・ディ・トスカーナ」を開催する。今年の試飲日程は、2 月14 日DOCG キアンティ(フィレンツェ)、15 日、16 日キアンティ・クラッシコ(フィレンツェ)、17 日ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ(サン・ジミニャーノ)、18 日ヴィノ・ノビレ(モンテプルチャーノ)、19 日、20 日がブルネッロ(モンタルチーノ)。これら以外のワインは13 日にフィレンツェで試飲に供された。

(中略)

 

ヴィノ・ノビレ・ディ・モンテプルチャーノVino Nobile di Montepulciano

いまから50 年前の1966 年。イタリアの10の産地がDOC に認定された。ヴィノ・ノビレはそのうちのひとつで、ことしDOC 認定50周年を迎えた。そして1980 年にDOCG に昇格する。当時はブルネッロより認知度の高いワインだったが、その後は市場へのアプローチの仕方の違いから今ではすっかり水をあけられた感じである。しかし品質と価格のバランスを考慮すれば、ヴィノ・ノビレはもっと評価されてしかるべきワインであろう。

 

最も大きな市場はドイツで全体の46% を占める。これにアメリカ20%、スイス17%が続き、この3 か国で全体の83%になる。ちなみに国内需要は全体のわずか20%にすぎない。

今年のアンテプリマは2013 年産が中心で、リセルヴァは5 つ星の2012 年産である。

(中略)

 

<モンタルチーノ訪問レポート連載開始>

ベンヴェヌート試飲会の前後にモンタルチーノに滞在し、多くの生産者を訪問した。ひとつの命題はゾナツィオーネ=エリア分けが可能かどうか。また、生産者数が200 を超えた今、規模も歴史も異なる様々な造り手がひしめいている現状を把握することを念頭に走り回った。次号6 月号から連載で訪問記を綴る予定にしている。乞うご期待。(K. Bansho / Y. Nagoshi)

つづく/これ以降の内容につきましては、「ウォンズ」本誌「5月号」をご覧下さい。WANDS本誌の購入&購読はこちらから

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