【特集】WANDS BUYER’S GUIDEを振り返る

バックナンバーを広げながら、バイヤーズガイドを振り返る3名のレギュラーテイスター。左からワインジャーナリストの柳 忠之、WANDS代表の名越康子、銀座「ロオジエ」シェフソムリエの井黒 卓。取材協力 銀座「ロオジエ」

 

原則として奇数月号で掲載してきたWANDS BUYER’S GUIDE(以下、バイヤーズガイド)。毎回、1テーマのワインを30~50種類ブラインドテイスティングし、平均点からランキングを決める。2019年9月号から2022年11月号まで19回行い、掲載してきた。最も印象に残ったテーマは何か? これからの展開は? バイヤーズガイドのレギュラーテイスター3名が論じ合う。

構成:柳 忠之

 

柳 忠之(以下、柳):2019年9月号の『WANDS』誌全面リニューアル以来、19回にわたってバイヤーズガイドを掲載してきました。まずこの企画を導入した理由について、編集長の名越さんから話をお聞きしましょう。

名越康子(以下、名):国によってワイン市場のあり方は異なりますよね。日本は「洗練されたワイン市場」だと、海外の方から言われることが多々あります。ただ人口が減少する中、今後、爆発的にワインの輸入数量が伸びるとは考えにくい。とするならば、「日本は、量は見込めないけれど良いワインはわかっている」という立ち位置を守り、あるいはさらに発展させたいと業界で働く人たちは常々思っているのではないでしょうか。そのために、日本でもっと売れても良いはずのワインやカテゴリーを掘り起こす目的で考えたのが、このバイヤーズガイドです。なので原則的に、海外市場では注目されているのに、日本では伸び悩んでいるジャンルをテーマにしています。

柳:最初のテーマはクリュ・ボージョレ中心の「ガメイ」でしたね。

名:クリュ・ボージョレは、コート・ドールのピノ・ノワールに負けないくらい魅力的なワインが多いのに、ボージョレというと日本では注目度も販売量も圧倒的にヌーヴォーです。海外ではすでにムーラン・ア・ヴァンやモルゴンはじめ、クリュ・ボージョレの評価が高まっていたので、現地取材に行きさらにその実力を実感しました。ですから、日本に輸入されているアイテムの品質を改めて検証したいと思ったんです。

柳:その回の座談会では、ボージョレを過小評価しているのはむしろ我々年配の世代で、井黒さんたち若手の間には“ガメラー”という言葉があるほどガメイ人気が高く、クリュ・ボージョレももちろん売れてると聞いて世代間格差を感じました(笑)。

井黒 卓(以下、井):私たちの間ではクリュ・ボージョレだけでなく、カリフォルニアやオーストラリアといった新世界のガメイも人気です。
(本文の続きは本誌に掲載)

 

掲載リスト

10 ガメイ
12 北部ローヌの赤
14 ドイツの辛口リースリング
16 チリのプレミアム・カベルネ・ソーヴィニヨン
18 リオハのレセルバ、グラン・レセルバ
20 アルザスのグラン・クリュ・リースリング
22 ニュージーランドのピノ・ノワール
24 キアンティ・クラシッコ グラン・セレツィオーネ
26 ロワールのソーヴィニヨン・ブラン
28 シャブリ・プルミエ・クリュ
30 ピエモンテのバルベーラ
32 オーストラリアのシャルドネ
34 ロワールのカベルネ・フラン
36 カリフォルニアのジンファンデル
38 アルゼンチンのマルベック
40 オーストリアのグリューナー・ヴェルトリーナー
42 スペインとポルトガルのアルバリーニョ
44 ロワールのシュナン・ブラン
46 南ローヌの赤
48 単一村、単一畑のバローロ
53 村と単一畑ごとに探るバローロのテロワール

続きは、WANDS 1&2月号
【特集】WANDS BUYER’S GUIDEを振り返る 特別企画バローロ
【特集】イタリアワイン
【特集】新たな時代を拓く活況のウイスキー市場
をご覧ください。
ウォンズのご購読・ご購入はこちらから
紙版とあわせてデジタル版もどうぞご利用ください。

WANDSメルマガ登録

関連記事

ページ上部へ戻る