ビール類は前年並み計画のサッポロビール ビール魅力化と新市場創造を目指す

サッポロビールは1月10日、2023年の事業方針説明会を都内で開いた。生活環境の変化や10月の酒税税率改正によりビール類・RTDを中心に市場構造が大きく変わると予測し、ビールの魅力化と、新しい“お酒”の選択肢の提供、新市場の創造を目指す。
2023年販売計画はビール類計で前年並みの3,943万ケース(大びん換算)。

野瀬裕之社長は昨年の振り返りと今年の方針を「2022年は、ビールは多様性を強みとした独自のマーケティン戦略で成果が出ている。新ジャンルやRTDも成長しており、2023年も集中戦略を継続する。変化を分析・検証し次のマーケティング戦略に活かしていく」と話した。
今年のビール事業は、多様なビールブランドを持つ強みを生かし、その“個性”と“物語”でビールの魅力化を推進するだけでなく、新しい「お酒」の選択肢を提供し、新市場創造を目指す。ビール計では前年比105.2%の2,816万ケースの計画。
「黒ラベル」は「黒ラベルTHE BAR」などによる生のうまさの体験機会創出やCM「大人エレベーター」などによる世界観に共感した新規顧客の獲得などにより2022年は前年比112%と成長。今年は「THE BAR」を新たに西日本エリア(大阪、福岡予定)などで“完璧な生ビール”のリアル接点拡充や、家・業連動の「STAR POINTキャンペーン」、「大人エレベーター」と別に新たな広告展開を行う。「さらなる新しい顧客の獲得と熱狂的なファン作りにより、異次元成長の第2ステージへと進む」(佐藤康常務執行役員マーケティング本部長)。
販売計画は黒ラベルブランド計で109.6%の1,533万ケース。


「ヱビス」ブランドは、2022年は高価格帯ビールがカテゴリ全体で苦戦するなかで一定の成果を得たと評価し、“Color Your Time!”のコンセプトを具現化するアクションを強化する。新たな広告・リアル体験接点・商品ラインが一体となった独自の顧客接点戦略を推進。リアル体験戦略として「YEBISU BREWERY TOKYO」を開業するとともに、同所でのビール醸造にも携わる若手醸造家・有友亮太氏が生み出す独創的なヱビスブランドの新・商品ラインとして「CREATIVE BREW」を立ち上げ、第1弾「ヱビス ニューオリジン」を2月21日から春夏期間限定で発売する。

1890年のヱビスビール発売当時に使用されていたと思われるドイツ産ホップ「テトナンガー」を一部使用。伝統製法と現代設備を駆使した製法を採用することで、より洗練された味わいを引き出す。アルコール分5.5%、350㎖缶265円(税別)。500㎖瓶355円は3月14日発売。20ℓ樽も販売する。販売計画33万ケース。
ヱビスブランド計の販売計画は前年比102.0%の679万ケース。

このほか、個性的で物語性のあるビールブランドにも磨きをかけ、「サッポロラガービール」、「サッポロ SORACHI 1984」、「サッポロクラシック」のさらなる成長を目指す。
また、上富良野ホップ試験栽培場(現・原料開発研究所 北海道原料研究所グループ)開設から今年で100周年を迎え、世界で唯一の、大麦とホップの両方を育種し共同契約栽培しているビール会社として、これまで開発したホップ品種による国産ホップ100%のビール「NIPPON HOP」シリーズを展開。第一弾として「始まりのホップ 信州早生」を1月31日から発売する。

新市場創造に向けては、“未来の新しい「お酒」”を提案。 “一杯目から楽しめる”、“専門性”、“楽しく豊かな生活”を実現する、カテゴリにとらわれない新・定番食中酒の商品戦略を強化する。第一弾はRTDで、1月31日に発表しRTD市場に新しい波をつくり市場を再活性化させる。

ビールテイスト飲料ではIPAタイプのノンアルコールビールテイスト飲料「酔わないCRAFT」を4月4日発売。また微アルコールビールテイスト「The DRAFTY」はリニューアルと新コミュニケーションの展開で、ノンアルビールテイスト飲料とは異なる価値を訴求。
リーズナブル価値訴求では投資ブランドの集中化を図る。継続的成長を遂げている新ジャンル「GOLD STAR」はバリューアップリニューアルを行い、酒税改正前に新規ユーザー獲得を目指す。RTDは「濃いめのレモンサワー」を中心に“コスパ最高定番商品”の地位確立を図る。

サッポログループ中期経営計画2023-26策定にあたりサステナビリティ重点課題を全面的に見直したのに伴い、サッポロビールにおいても気候変動への対応、地域との共栄など、事業活動を通じて地域社会のWell-beingに貢献する。循環型社会構築に向けては、環境配慮型の容器包装開発「ecoフレンドリー」プロジェクトを発足。2月、3月にスーパーマーケット「ライフ」の首都圏で紙使用量を大幅削減した6缶パック資材2種を順次テスト販売するのをはじめ、ビール樽容器や焼酎紙パック、カップスープなど様々な容器包装で“スモールトライ”を繰り返し、順次本格採用を目指していく。

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