wine@EBISU 1周年記念 トップソムリエの名入りのスーパースパニッシュ

味わいを解説する銀座「ロオジエ」シェフソムリエ 井黒卓氏(左)と大井町「ロスビノス」オーナーソムリエ 櫻井一都氏。

 

2022年2月に東京・恵比寿でオープンした「wine@EBISU」が1周年記念レセプションを開いた。同店はAIが好みの味わいを診断するワインカルテで話題を呼んだほか、都内1,000店の飲食店とBYO(Bring Your Own/ワインの持ち込み)で提携するなど、プラットフォームビジネスの開発に取り組む。(『WANDS』2022年4月号でも紹介 https://wandsmagazine.jp/archives/12853

レセプションは3月16日。この日のためにオープン前から企画していた特別ワインがお披露目となった。リベラ・デル・デュエロのワイナリー、アバディア・レトゥエルタのオリジナルキュヴェだ。これは昨年12月に創業70周年を迎えた輸入元ミリオン商事との共同プロジェクトで、選抜テイスティングには、「wine@EBISU」を運営する丸岡栄之ブロードエッジウェアリンク代表取締役社長と、同店ワインディレクターの林やよい氏、そして著名なソムリエ2名が参画した。井黒卓氏(銀座「ロオジエ」シェフソムリエ/2020年全日本最優秀ソムリエコンクール優勝)と、櫻井一都氏(大井町「ロスビノス」オーナーソムリエ/2007年スペインワインコンテスト優勝)である。

アバディア・レトゥエルタはドゥエロ川左岸のサルトン・デ・ドゥエロ村にある。Abadiaは「修道院」、Retuertaは「蛇行した」を意味し、12世紀からブドウが栽培された土地。2005年のインターナショナル・ワイン・チャレンジで最優秀賞を独占し、ロバート・パーカーに「今世紀最大の発見のひとつ」と言わしめた。樹齢300年のテンプラニーリョの古木が残り、そのクローンを栽培している。2022年にビノ・デ・パゴを取得した。

ワイナリーから届いたバレルが4種あり、当初はブラインドテイスティングで1種を選抜予定だったが、アバディア・レトゥエルタらしさを表現するため、ブレンドするという結論に至ったと言う。1番のバレルを除いた以下の3種でブレンディング。

2番のバレル(40%)……現地限定販売のWine Maker Collection(WMC)からブレンド。テンプラニーリョ75%、トゥリガ・ナショナル25%。
3番のバレル(10%)……WMCのテンプラニーリョ50%、ガルナッチャ25%、マルベック25%。4年樽熟成。
4番のバレル(50%)……メルロ100%。新樽熟成。

最終的なブレンドのセパージュ:
メルロ50%、テンプラニーリョ35%、トゥリガ・ナショナル10%、ガルナッチャ2.5%、マルベック2.5%。
1年程度の樽熟成。


井黒氏と櫻井氏がブレンドについて解説した。

「味わいのベースは、テンプラニーリョのエレガンスさとトゥリガ・ナショナルのボディを持つ2番。4番のメルロは、ワイン全体を支える骨格の役割を果たす。試飲時にこのメルロは完成度が高くて驚いた。そのハーバルなタッチが香りに奥行きを与えている。メルロとテンプラニーリョが赤い果実味を、そのほかの3品種が黒い果実味やスパイス感を与える。5つのブドウ品種の個性が体現されており、多層的だ。10〜20年は熟成できるだろう」と井黒氏。

「ブラインド試飲で2番がもっともアバディアらしいと感じた。だがメルロという人気品種をメインにもってきた。結果、アバディアらしく、かつ唯一無二で新鮮な味になった。第一印象ではメルロの風合いが強いが、熟成するとスペインワインらしく、テンプラニーリョが前面に出てくるだろう」と櫻井氏。

特別キュヴェの名は「アバディア・レトゥエルタ セレクシオン・エスペシアル 2020 Blended By wine@」。ラベルは「Taku Iguro」「Kazuto Sakurai」とソムリエ両氏の名前入り。日本限定140本を受注販売。

(N. Miyata)

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