ワインズ・オブ・ポルトガル、試飲会と和食ペアリングセミナー開催し盛況

Wines of Portugal(WOP、ポルトガルワイン協会)は業界関係者対象の試飲会「ポルトガルワイングランドテイスティング」を7月1日、「和食とポルトガルワインのペアリング・マスタークラス」セミナーを2日に東京・目黒のホテル雅叙園東京で行った。

ルシア・フレイタス氏

試飲会には生産者36社(うち18社が未輸入)35ブースが出展。飲食店や酒販店などの業界関係者350人が来場し盛況だった。
日本未輸入の「QUINTA DA MARIPOSA」は800年以上のワイン生産の歴史を持つ産地、ダンの生産者。1985年にアントニオ・コレイア氏が設立し、孫娘のルシア・フレイタス氏が醸造家となって三代目を継承。標高400mの、主に花崗岩土壌の畑で伝統的な土着品種を、サステイナブル農法で栽培。複雑味のある赤ワイン、フレッシュ&フルーティな白ワインを生産する。ハイエンドの「RETRO RED2014」は「混植のブドウ品種を収穫し、ラガレス(花崗岩の発酵槽)に茎のまま入れて足踏みで搾汁し、土着酵母でゆっくりと発酵させ、あまり手を加えず伝統的なダンワインを表現しています」(ルシア・フレイタス氏)。
未輸入の「DONA MARIA JULIO BASTOS」は、18世紀中ごろに国王が最愛の女官ドナ・マリアに贈った、宮殿のような豪奢な建物を有するワイナリー。現当主のフリオ・バストス氏が1992年にドメーヌ・バロン・ド・ロートシルトとのジョイントベンチャー後に新プロジェクトとして「ドナ・マリア・ワインズ」をスタートさせた。主に粘土石灰質土壌の80haの畑のうち68haが赤品種で、なかでもアリカンテ・ブーシェの畑はポルトガル最古のもの。アリカンテ・ブーシェ100%の「フリオ・B・バストス アリカンテ・ブーシェ2015」は「濃い赤色でブラックベリーやチョコレートのアロマ、絹のような滑らかさと力強いフィニッシュ」(マネージャーのフランソワ・エメリー氏)。

ウェイ・スー氏

セトゥーバルの「Jose Maria da Fonseca」はポルトガル三大酒精強化ワインのモスカテル・デ・セトゥーバルやポルトガル最古のワインブランド「ペリキータ」を生み出した歴史を持つワイナリー。生産量の6割を輸出し、日本では木下インターナショナルが輸入販売。「ペリキータ レゼルバ2021」は「伝統品種カステランが“ペリキータ”と呼ばれたほどの代名詞的存在で、今販売している『オリジナル』よりもカステランの使用比率が高く、やわらかな果実味と深みのある味がペリキータの歴史的な味わいを強く継承している」(アジアパシフィックエリアマネージャーのウェイ・スー氏)。
セミナーではワイン・イン・モーションの別府岳則氏とソムリエ協会大阪支部副支部長で「バー・ダ・ワン」オーナーソムリエの猪瀬和美氏が講師を務め、懐石料理とポルトガルワイン10種類のペアリングを紹介。別府氏は「ポルトガルにおいてワインは総輸出額の1.2%、食品輸出の9.7%を占める重要な産業。ポルトガルワインをユニークにしているのは250種以上の固有品種を栽培していること。また北部の標高の高いところから南の低いところまで国土のほぼ全域でブドウが栽培され、大西洋の北からの寒流の影響で温度が上がりにくく、ぶどうがゆっくり成熟することで、各産地の特徴が出やすい。多様な品種を基本的にはブレンドしているため、汎用性がありガストロノミック。食事で日本との共通性もあり、和食とのペアリングが成立しやすい」と説明した。
冒頭のあいさつではWOPマーケティングディレクターのソニア・ヴィエイラ氏が「ポルトガルワインは日本でよく売れており、日本のスティルワイン国別輸入量でポルトガルは8位、ポルトガルからのワイン輸出金額は770万ユーロを売り上げている。日本の市場はワインズ・オブ・ポルトガルが一貫してプロモーションに投資したい市場と捉えている」と話した。

左から、別府岳則氏、ソニア・ヴィエイラ氏、猪瀬和美氏

 

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