- 2024-12-25
- Wines, スペイン Spain, フランス France
11月7日、東京・八芳園で「欧州 ガルナッチャ/グルナッシュワイン テイスティング 2024」が開催された。参加したのはカタルーニャとルーションの計10ワイナリーで、ガルナッチャ主体のワインが数多く展示された。多くは未輸入で、生産者が各ブースで複数のキュヴェを紹介した。
主題のガルナッチャ(グルナッシュ)は、スペイン北東部アラゴン州原産の黒ブドウ品種である。主要な栽培地はヨーロッパに集中しているが、乾燥に強いことから、干ばつの多い土地に適し、近年、その特徴が世界的に評価され栽培地域が拡大している。 古くからの産地としてあげられるのは、この展示会で見られたようなフランスのルーション地方からピレネー山脈を越えたスペインのアラゴン州、カタルーニャ州であり、そこには古木が多い。よその地の生産者が注目して新たに畑を購入するなど、再評価が進んでいる。
以下、出展者からいくつかの例を示す。
Bodegas San Valero:DOカリニェナ。担当者は「ガルナッチャは、地域や造り手によって個性が大きく異なる」と話す。同ワイナリーのワインの特徴は滑らかでエレガントな味わい。ガルナッチャで造ったカバ(ブラン・ド・ノワール)も高品質に仕上がっている。
Bodegas Aragonesas:DOカンポ・デ・ボルハ。樹齢100年のガルナッチャを披露。樽で熟成させ、骨格がしっかりとしている。歴史的な本場の威信をかけて、ほとんどをガルナッチャ畑にしているという。
Domaine Singla:ルーション。グルナッシュ主体でありながらフルボディで余韻が長く、深みがある。Domaine Fontanelもルーションで、6世代続く老舗だが、近年、若手醸造家が加わり、古木のグルナッシュの味わいに新たな魅力を加えている。 なお南フランス、ルーションのワイナリーは、酒精強化した甘口のリヴザルトも出品。酸味とのバランスが取れ、食中酒としても適している。
Celler Unío:カタルーニャ地方の複数の協同組合が1942年に結成した連盟で、DOテラ・アルタ、DOモンサン、DOCaプリオラートのワインを披露した。テラ・アルタのガルナッチャ・ブランカは滋味深く、モンサンのガルナッチャは果実味が豊か、プリオラートは力強いなど、それぞれが地域の個性を鮮明に表現している。
(N. Miyata)
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