- 2025-1-16
- NEWS, Wines, フランス France

芸術家の名画がワインボトルを彩る。ボルドーの名門「シャトー・ムートン・ロスチャイルド」のアートラベルは、1924年に第一作が制作され、1945年以降、毎年の伝統となった。これは芸術愛好家であるフィリップ・ド・ロスチャイルド男爵が築いた、ワインと芸術を結びつける取り組みである。
2024年12月1日、東京のワインショップ・エノテカGINZA SIX店にて、「シャトー・ムートン・ロスチャイルド 2022」のアーティストラベルが、シャトーでの公式発表と同時に少人数のゲストへ公開された。78作目となる2022年のラベルを手がけたのは、フランスの画家ジェラール・ガルーストだ。作品『フィリップ男爵へのオマージュ』は、シャトーの歴史的な節目を記念している。
フィリップ・ド・ロスチャイルド男爵は1922年、父の後を継いでシャトーの運営のトップに立ち、1924年のシャトー元詰めシステムの導入、1926年の無柱空間建築のセラー「グラン・シェ」の建設、1973年のシャトー格付け第1級への昇格など、数々の功績を残してきた。2022年は、男爵が指揮を執ってから100周年にあたる記念すべき年である。ガルーストは男爵への敬意を込めて、その肖像画と共に、ムートンのシンボルである牡羊、ペジメント、そしてブドウを力強く描き上げた。現在は、男爵の孫であるジュリアン・ド・ボーマルシェ・ド・ロスチャイルド氏が文化芸術事業を担当し、この伝統を受け継いでいる。ジュリアン氏との対話を重ねながら本作品を描いたガルーストは「抜群にエレガントで、何事に対しても精力的で、表情には常に自信が満ち溢れ、同時に茶目っ気も失わない。男爵の魅力のすべてを肖像画に表現することに努めた」という。
ラベル発表の場では、エステーツ・マネージャーのジャン=エマニュエル・ダンジョワ氏からのビデオレターも上映された。2022年は暑く乾燥した太陽のヴィンテージとなり、特にカベルネ・ソーヴィニヨンが素晴らしい出来を見せた年だという。アッサンブラージュではカベルネ・ソーヴィニヨンの比率を高め、完熟した黒い果実の豊かな香りを引き出すことに成功した。凝縮感のある果実味と力強いストラクチャーを、しっかりとしたタンニンが見事に引き締めている。
シャトーのパートナーの1社であるエノテカは、GINZA SIXのショップオープン以来、歴代アーティストラベルを常設展示している。この2022年ヴィンテージの日本での販売は2025年5月頃(※)を予定している。その到着を、ワインと芸術愛好家たちは待ち望んでいることだろう。
※遅延の可能性もございますので、ご了承ください。
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