歴史的なワイナリーから生まれた新星「フィッリ・ルイージ・オッデーロ」

バローロの「オッデーロ」と聞けば、ラベルに太い文字でODDEROと記してある老舗のワイナリーを思い浮かべる人が多いのではないだろうか。この「フィッリ・ルイージ・オッデーロ」は、2006年からオッデーロ家から独立して新たな道を歩み始めたルイージによるものだ。

 

「オッデーロ」は、1878年から既に小樽やボトルで質の高いネッビオーロを海外に販売していたほどの老舗で、上質なバローロを生むいくつもの畑を所有していることでも知られている。

「フィッリ・ルイージ・オッデーロ」を立ち上げたルイージは、残念なことに2009年に他界してしまったが、その後は妻のレナを次世代となるジョヴァンニとマリアが助けながら続けている。2012年からは、ブルーノ・ジャコーザのコンサルタントも務めたダンテ・スカリオーネがアドバイスに入っているようだ。

 

ラ・モッラ、カスティリオーネ・ファレット、セッラルンガ・ダルバの3つの畑をブレンドしている「2009バローロ」と、ラ・モッラのリーヴェ畑にある単一区画キュヴェ「2009 バローロ スペーコラ」、そしてカスティリオーネ・ファレットの単一畑「2007 バローロ ロッケ・リヴェラ」を試飲して感じた共通点は、伝統的な造りでバランス感覚に優れ、土地を表す透明感があることだった。本家はキュヴェによっては樽の影響を強く感じることがあるが、それとはある意味対照的に感じられた。

 

それぞれのキュヴェの印象を簡単に記しておく。

oddero2009       Barolo    Luigi Oddero

やさしいしなやかな香り。スパイス、少しドライな生き生きとしたチェリーやクランベリーなどの果実とスパイスが融合している。なめらかでしっとりとした食感で、タンニンは豊かだがドライすぎない。暑い年ながら果実が熟しすぎず、きれいにまとまりフレッシュ感もあり、若々しい。

2009       Barolo, Specola   Luigi Oddero

より果実の凝縮感がある華やかな香り。肉付きのよい香りで、よく熟したチェリーやクランベリー、あるいは一滴ジャムをたらしたような果実香でスパイスも徐々に出てくる。アタックからまろやか。厚みがありボリュームもある。ふっくらとしたラ・モッラらしい優しい食感。タンニンはあとから出てくるが鋭角的ではない。

2007       Barolo, Rocche Rivera Luigi Oddero

カスティリオーネ・ファレットの南東向きの垂直に近いような切り立つ斜面の畑。なめし革など動物的なニュアンスに、クミンのようなスパイスなど、複雑でより力強さを感じる香り。果実は少し黒みを帯びたチェリーやブラックベリーのニュアンス。アタックはなめらかで芯が強く凝縮感がある。力があり、ストラクチャーもしっかり。肉厚でドライなタンニンがたっぷりあり、とても若い。

輸入元:BB&R

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