- 2015-8-31
- Wines, スペイン Spain

スペイン北東部の都市ビルバオから、主に白ワインを産するチャコリの生産地域を巡り、内陸の南西へ向かいリオハのワイナリーも訪問した。ビルバオのあるバスク州は「グリーン・スペイン」と呼ばれる通り、樹々が青々として牧草地も見られた。涼しく雨量が充分にある環境なのだ。しかし、ひとたびカンタブリア山脈を越えると、乾燥した台地が続く。ワインは、本当にその土地を表すものだとつくづく思った。チャコリとリオハの現状をお伝えする。
<リオハ>
リオハのワイン産地は、3つの行政地区にまたがっている。北東の一部がナバーラ州で、大半はラ・リオハ州にあり、北西の一部でエブロ河の左岸(北側)に位置するリオハ・アラベサ地区がバスク州のアラバ県に属している。今回は、リオハ・アラベサに拠点を置くボデガを中心に、リオハ・アルタのアロ、少し下流のログローニョも訪れた。
大手からごく小規模な生産者まで、老舗から新進の造り手まで様々だった。ただ、かつての長期樽熟成による枯れたリオハのイメージは既になかった。伝統的な造り手においては、クラシックなよさとモダンのアドバンテージをうまく融合していた。ライジングスターたちは、独自の路線を突き進んでいるという印象をうけた。
しかしいずれにしても、リオハならではのワインとは何か、品種特性や畑・土壌の個性をいかに表現するべきなのか、と真摯に取り組んでいる様を垣間見させてもらった。他国や他地域と同様に、造り以上に畑での仕事の重要性に目を向けているとわかった。
細かいサブ・リージョンや畑の格付けが今後できるのかどうかはわからない。とはいえ、特殊な個性を放つ畑や区画のワインを、単体で瓶詰めしてみたいという方向性は、リオハに限ったことでもなく、自然の流れなのかもしれない。
(Y. Nagoshi)
つづく/これ以降の内容 につきましては、「ウォンズ」本誌「7、8月合併号」P.34〜43をご覧下さい。WANDS本誌の購読はこちらから
リオハの訪問先/Bodegas Roda, Bodega Contador, Bodegas Bilbainas, CVNE, Marqés de Teraan, Tentenublo, Granja Nuestra Senora de Remelluri (+テルモ・ロドリゲスの仲間たちのワインについて), Marqués de Murrieta, 製樽会社Toneleria Magrenan
- ボデガス・ロダから見えるエブロ河
- ロダはオリーブオイル(右端)でも有名
- ボデガ・コンタドールの醸造所
- コンタドールはアイテムが多い
- 移動中にたくさんの羊を見かけた
- ボデガス・ビルバイナスも老舗のひとつ
- クネ始まって以来、初の女性醸造長
- マルケス・デ・テランは若いワイナリー
- テンテヌブロは若き異端児的存在
- テンテヌブロの三部作
- テンテヌブロの古樹
- レメリュリにて、テルモ・ロドリゲスと仲間たちに出会った
- 老舗製樽会社マグレニャンも見学
- マルケス・デ・ムリエタのボトル
- ムリエタの古い畑
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