「アンリオ」の永遠のリザーヴ「キューヴ38」3rdエディションフランスに先駆け初夏に発売開始

3番目のエディションは、フランスに先駆け日本ではこの初夏に限定100本が発売開始される。このお披露目のために来日したのはジョージ・クルーニー似のアンリオの当主は、ジル・ド・ラルズィエールだ。

 

<賭け>

 ジョージ・クルーニー似のアンリオの当主は、ジル・ド・ラルズィエール。経営コンサルタントを生業としていたが、母が亡くなった2011年から取締役としアンリオ・グループに参画した。当初はコンサルタントとの二足のわらじだったが、2015年からグループのトップに就任した。故ジョセフ・アンリオの甥にあたる人物だ。

「叔父が1990年にスペインから帰ってきて、シャルドネの特級がいかに長寿であるかを証明したい、と言い始めた。そしてシェフ・ド・カーヴを呼び、最も優れた特級のシャルドネだけを取り置くように指示した」。

別格のブラン・ド・ブランを造りたい、という故ジョセフ・アンリオの情熱が「キューヴ38」のきっかけとなった。

いくつもあるリザーヴワインのステンレスタンクのうち、38番目のタンクが「医者のタンク」と呼ばれるようになっていたという。理由は、困った時にこのキュヴェのリザーヴワインをブレンドすると救われるから。毎年一部を引き抜き新しいワインを注ぎ続けた。

「この『キューヴ38』にはアンリオで最も品質の高いシャルドネを使うわけだから、ある意味で賭けだった。毎年ワインは変化していき、初めの数年間はその後どのようになるのかわからなかった。しかし、2000年代に入ってからいけそうだと良い感触を得られた。ようやく確信したのが2007年のことだった。こうして長い年月待てたのは、家族経営の醍醐味だと感じている」。

フレッシュで且つ複雑性があるワインに成長し、とてもアンリオらしい表情が醸し出されてきたと感じ、2007にティラージュし、5年間の瓶内熟成を経て2014年末にデゴルジュマンした。「キューヴ38」と命名して1stエディションを2015年にリリースした。マグナムボトルで1,000本の限定品だ。(Y. Nagoshi)

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