- 2015-9-28
- Spirits

円安効果もあり、昨年日本を訪れた外国人の数は初めて1300万人を超えた。今年1~5月も前年比45%増とこの流れはさらに加速しているようだ。この結果、ホテルの稼働率が上がり、付帯施設であるホテルバーの喫食率も高まっている。こうした中で、ホテルバーで飲まれるカクテルはどう変化しているのだろうか。日本ホテルバーメンズ協会(HBA)がまとめた会員ホテルカクテルランキングをベースに、本誌が集計(点数化)したのが別表の通りである。2014年度は2013年4月から2014年3月の販売実績となる。
<HBAカクテルランキング(ロング)>
順位 | 2014 | 2013 | 2012 | 2011 | |
(76店) | (72店) | (65店) | (63店) | ||
1 | ジントニック | 340 | 336 | 309 | 300 |
2 | モヒート | 211 | 190 | 149 | 88 |
3 | ホテルオリジナル | 156 | 99 | 92 | 114 |
4 | ソルティドッグ | 153 | 157 | 151 | 166 |
5 | モスコミュール | 110 | 92 | 80 | 89 |
注)ランキングを1位5点、2位4点、3位3点、4位1点、5位1点で点数化。 |
これによると、過去4年間でロングカクテルの第1位は「ジントニック」で不動だが、第2位に躍進したのが「モヒート」である。
2013年に「ソルティドック」を逆転し、指名率は40%を超えた。2014年には「ジントニック」を抜き、ランキング1位となったホテルも7カ所と増えた。しかもハイアットリージェンシー東京、ヒルトン東京、ホテルオークラ東京、ホテルメトロポリタン、ホテルニューオータニなど、都心の高級ホテルに集中している。
また、モヒートの特徴は、様々なアレンジが見られることだ。こちらはホテルのオリジナルカクテルに含んでいるが、シャンパンモヒート、ベリーズモヒート、梅酒モヒート、泡盛モヒートなど、ベースにラムを使わなくてもミントを使ったカクテルを「〇〇モヒート」と呼んでいる。モヒートブーム以降、ホテルのオリジナルカクテルも増えているように見える。さらに、ピオーネモヒート、ブラックベリーモヒート、トロピカルモヒート、キウイモヒート、マンゴーモヒートなど、ラムはフルーツとの相性がいいことからバラエティ化が進んでいる。
なお、ベースのスピリッツを見ると、ジンとウオッカの双璧に、ラムが分け入ったことになる。「ジントニック」の1位指名率はかつて85%を超えていたが、直近では72%まで下がっている。ウオッカベースの「ソルティドッグ」「モスコミュール」はいずれも根強い人気はあるが、指名率は3位から4位、4位から5位へと、それぞれ落としている。
この他、ジンリッキー27点(昨年31点)、ジンフィズ18点(15点)、シンガポールスリング15点(15点)は一定の支持を維持しているが、(4年前に比べて)カシスオレンジやカンパリソーダの指名率が減少している。
(A. Horiguchi)
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