OIV調査 2017年、世界のワイン生産と消費

OIV(国際ブドウ・ブドウ酒機構)はパリ本部で記者会見を開き、ジャン・マリ・オラン専務が世界のワイン生産、消費の状況について概要、次のように説明した。

 

2017年の世界の葡萄畑面積は前年とほぼ変わらず約760万ha。中国は前年比6,000ha増ながら増加率にややブレーキがかかっている。ヨーロッパでは唯一イタリアが5,000ha増。一方、トルコは2 万ha減、スペインは8,000ha減。

前年同様、スペインが栽培面積1位、これに中国(87万ha)、フランス(79万ha)が続いている。

 

2017年のワイン生産量は記録に残る低い水準で前年比8.6%減、2 億5,000万hl。これは天候不順でヨーロッパ圏の生産が前年比14.6%減となったことが主な要因。国別ではイタリア(4,250万hl)、フランス(3,670万hl)、スペイン(3,210万hl)、米国(2,330万hl)、オーストラリア(1,370万hl)など。南アメリカはエル・ニーニョの影響で2016年産の収穫量がかなり減ったが、2017年はアルゼンチン(1,180万hl)、ブラジル(340万hl)ともに前年に比べ増加し平年並みに回復した。一方、チリは前年に続いて減少し950万hl。南アフリカは前年比2.6%増で1,080万hl。

 

ワイン消費量は2 億4,300万hl で2008年の経済危機以降ほぼ同水準。しかし、ここ3年来わずかに増加傾向にある。米国が2011年以来消費量1位で3,260万hl。次いで2位フランス2,700万hl、3位イタリア2,260万hl、4位ドイツ2,020万hl、5位中国1,790万hl。漸減傾向の続いていたフランス、イタリア、スペインなど伝統的なワイン消費国の消費減に歯止めがかかっているようみえる。米国、中国、オーストラリアなどの消費は増加が続いている。

 

世界のワイン貿易は量で前年比3.4%増(1億800万hl)、金額で4.8%増(300億ユーロ)と好調。これは特にスパークリングワインが量11.2%、金額8.9%と伸びた事による。

 

南半球の2018 年産収穫見込みは5,270万hlで前年並み。国別に見るとアルゼンチン、チリ、ニュージーランド、ウルグアイなどが増加している一方で、オーストラリア、ブラジルは2017 年を下回る見込み。
(T.Matsuura)

WANDS2018年6月号は「夏のスパークリングワイン」「ブルゴーニュワイン」「ビール」特集です。
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