アルゼンチン最大のワイン企業  ペニャフロールを創立した プレンタ一族によるプレミアムワイン

2度目の来日のディエゴ・プレンタは、ペニャフロール社創業家の4代目にあたる。創業者がマルケのアンコーナを旅立ちこの地にたどり着いたのは1902年のことだという。

 

広大な畑から厳選

プレンタ一族は巨大な企業となったペニャフロールを1997年に売却し、自らワイン造りを始めると決めた。ディエゴの父エドゥアルドと叔父のヒューゴが「プレンタ・エステート」を設立したのは2002年のことだ。ヒューゴは4半世紀にわたりポルシェの代理店を経営してきた人物で、みな車好きのようだ。

祖父のアントニオが多くのブドウ畑を拓いた人物で、特にウコ・ヴァレーの開拓者として知られている。最も良い畑のブドウだけを使いプレミアムクラスのワインに特化したワイナリーにすることが目的で、20年来の付き合いであるファクンド・ジャスリが栽培責任者を、ハビエル・ロ・フォルテがチーフワインメーカーを担当している。

畑はすべてクージョ地方にあり、その中でもメンドーサの南と南西に位置する2つの畑が重要だという。

1:祖母の名をつけたフィンカ・ラ・スレマ(セントラル・オアシスのルハン・デ・クージョの中のアグレロにある)。標高980mで1992年に植樹。135haあり、砂と粘土の表土1mの下には1mほど石がゴロゴロし、その下は母岩だ。「日較差が大きく、華やかなフローラルな香り、そしてタンニンがソフトなワインができ上がる」。シャルドネを筆頭に11品種を栽培している。

2:祖父の名に因んだフィンカ・ドン・アントニオ(ウコ・ヴァレーのトゥヌザンの中のロス・アルボレスにある)。標高1200mにあり、ラ・スレマより2℃ほど涼しい。402haの畑で、植樹は1981年。土壌は砂質に多くの石、岩、粘土や石灰岩も混ざっている。このうち20〜25%のみ自社のために使っており、残りのブドウは販売している。

「アルゼンチンではまだ原産地があまり定まっていない。大まかにサルタとメンドーサの違いは認識されるようになったが、例えばウコ・ヴァレーの中でもロス・アルボレスのワインは他と大きく異なる。今、National Institute of Viticultureが主導して明確にしようとしているところだ」。

3段階のポートフォリオ

プレンタのポートフォリオは、気軽に飲めるタイプの「ラ・フロール」、レセルバに値する「エステート」、そしてプレミアムな「グラン」の3つのシリーズがある。単一畑シリーズもあるがそれは国内向けのようだ。

また、プレンタのラベルには「MALBECⅠ」 「MERLOTⅡ」「GRAN CORTEⅦ」のようにローマ数字が記されている。これは造った順番なのだそうだ。「ブレンドワインが一番だと考えていて、グラン・コルテの7番までしかなかった」が、今は16番までの大家族だ。 (Y. Nagoshi)

 

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