シャルル・エドシック  シェフ・ド・カーヴ シリル・ブランが ブラン・デ・ミレネール2004年を披露

シャルル・エドシックは、シャンパーニュのネゴシアン・マニピュランで最も規模が小さいが、リザーヴ・ワインのストックは最も豊かだという。いわば小さな巨人である。「シャンパン・チャーリー」として知られるシャルル=カミーユ・エドシックは、ぶどう畑だけでなくクレイエールも購入したことで知られている。今でもすべてのボトルをこの空間で熟成させている稀有なメゾンだ。

 

正反対のヴィンテージ2006&2005

まず2006年と2005年のブリュット ヴィンテージ、ロゼ ヴィンテージをそれぞれ試飲して、その違いを対比した。

2006年は「フレンドリーでアクセスしやすく、豊かで、アプリコットや蜂蜜、プラム、トースト、ローストピーナッツなどが感じられ、若さを表すライムの香りは消え熟成の中盤にさしかかっており、今飲んで美味しい」。

反対に2005年は「まだ厳格で閉じている。よりフェノールが成熟し、色調も濃く黄金だ。ちょうど2015年に入社した時に、2005年がリリースされた。個人的には06年を先に出したほうがよかったと思っている」。

ロゼの場合には、やはり2005年は厳格すぎると判断して待つことにして、開いている2006年を先にリリースした。シャルル・エドシックにとって初めての逆転のリリースとなったため「パンクなセラーマスター」だと言われたそうだ。いずれも9年以上も瓶内での熟成を経ている。気温10℃・湿度90%のクレイエールで過ごす長い「時間」が、ポテンシャルを最大限に引き出すためにシャルル・エドシックにとって必要不可欠な存在だ。

 

ブラン・デ・ミレネール2004+1995

ブラン・デ・ミレネールは、コート・デ・ブランの5つの村のシャルドネのみを使った上級キュヴェだ。クラマンはライムと花の香り。アヴィーズはエキゾチックでトロピカルなアロマ。メニル・シュール・オジェはスモーキーでミネラリー。オジェはボディがありフレッシュ。ヴェルテュは全体をなじませる役どころ。2002年までシェフ・ド・カーヴを務めたダニエル・チボーがそれぞれの村の特徴をこのようにつかみ、20%ずつブレンドすると決め、シリルはこのレシピを継承していく。

(中略)

2004年は、レモンやリンゴの花、アーモンドやバターのようなエレガントな香りで、なめらかな口当たりとフレッシュな酸がダイナミックな味わいを構成し、余韻が長い。一方、95年はナッツやドライフルーツ、トーストなどの華やかな香りで、芳醇でクリーミーで豊かで、まだ若ささえ感じさせる。

「通常は6、7万本しか造らないからリリースして2、3年でなくなるが、95年はチボーがとても好きだったため多く造り長く市場に出すことができた。皆は96年の方を評価していたためチボーはプレッシャーを感じていたはずだが、結果的に彼の考えは正しかった。チョーキーなヴィンテージで今年のようにダブルハーベストの年だった」。(Y. Nagoshi)

(つづく)

輸入元:日本リカー

 

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