- 2019-1-21
- Wines, イタリア Italy
クレメンティ・サンティに始まり、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの歴史を築き上げてきた「ビオンディ・サンティ」の7代目当主となったタンクレディ・ビオンディ ・サンティ氏が初めて来日した。まだ20代という若さだが、既に数年前から亡き祖父フランコ、そして父ヤコポにならいながら栽培や醸造にも参画している。
基本的に畑も醸造所も以前となんら変わっていないようだ。モンタルチーノの丘で最も条件の整った位置にあるイル・グレッポは、4つの畑から成り、合計26haある。丘の上部にあるため緩やかな傾斜は「東西南北全て向いていることが複雑性を生み出す」という。表土はミネラル豊かで貧しい土壌のガレストロで下層は粘土。植えられているのは「BBS11」、ブルネッロ・ビオンディ・サンティ11番だ。これは、祖父にあたるフランコがフィレンツェ大学と5年かけてセレクトしたブルネッロ=サンジョヴェーゼ・グロッソのクローンだ。10数年前にヤコポ・ビオンディ・サンティによるマレンマの新しいプロジェクトの現場を訪問した時に「この畑も全てBBS11を植えた。モンタルチーノと条件が異なるため次第にこの地に合わせて変異していくだろう」と言っていたが、BBS11は市販していないため他社では使えないようだ。
樹齢5〜10年までのぶどうはロッソ・ディ・モンタルチーノに、樹齢10〜25年まではアンナータ(ノーマルのブルネッロ)に、樹齢25年以上になるとブルネッロ・ディ・モンタルチーノ・リゼルヴァ用になる。ロッソは12か月、アンナータは36か月、リゼルヴァは60か月大樽にて熟成される。モンタルチーノで古木を守る造り手はあまり多くない中、イル・グレッポには1936年植樹の古木も丁寧な手入れにより残されている。(Y. Nagoshi)
つづきはWANDS 2019年1月号をご覧ください。
1月号は「ブルゴーニュワイン、イタリアワイン、ウイスキー」特集です。
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