ベルナール・エルヴェのワイン哲学 〜2006年にドメーヌ・フェヴレに招聘〜

ドメーヌ・フェヴレは2004 年に、7 代目となる弱冠24 歳のエルワン・フェヴレに受け継がれた。ドメーヌ・フェヴレのワインはヴァン・ド・ガラージュが猛威を振るう中、一時期、その存在感を失ったが、この10 年でブルゴーニュのメイン・プレイヤーとして完全復帰を果たした。ドメーヌ・フェヴレの劇的な発展を推し進めたのはかつてドメーヌ・ブシャール・ペール・エ・フィスを再建し、2006 年にドメーヌ・フェヴレに招聘されたベルナール・エルヴェ氏だ。

「フェスティヴァル・ミュジック&ヴァン・オ・クロ・ヴージョ」の創設者で大のクラシックファンとして知られるエルヴェ氏は常に微笑みを浮かべ極めて穏やかな人柄だが、自らの哲学を守る姿勢は一貫している。また、ブルゴーニュの栽培家との密な関係はつとに知られており、水面下で隠密に進められる葡萄畑取引を常に成功させてきた。

オスピス・ド・ボーヌ競売会のために世界中から顧客を迎える準備で忙しいエルヴェ氏をニュイ・サン・ジョルユの事務所に訪ね、そのワイン哲学を伺った。

 

──ドメーヌ・フェヴレは、例外的に素晴らしい畑を所有していますが、どのようにしてこうしたプレステージのある葡萄畑を集めたのですか。

ベルナール・エルヴェ 19 世紀にコルトン、20 世紀に入ってシャンベルタン、そして最近、私が来てからさらに積極的に葡萄畑を買収しています。2007 年にポマールのリュジアンとヴォルネのフルミエ、2008 年にグランクリュ・バタールとビヤンヴニュ、さらにピュリニー・シャンガンを入手しました。

2013 年にはドメーヌ・デュポン・ティスロンドの買収を通してマジ・シャンベルタン、シャルム・シャンベルタン、コルトン・ロニェなど20ha を取得し、2014 年には4 つのグランクリュを持つシャブリのビヨ・シモンを手に入れました。良い葡萄畑を買い、ドメーヌ・フェヴレの規模を拡大するという基本戦略を一貫して推し進めています。以前に比べるとネゴスの活動はずっと少なくなり、今ではフェヴレの活動の80%がドメーヌワインの販売です。(T. Matsuura)

つづく/これ以降の内容につきましては、「ウォンズ」本誌「2月号」P.55〜57をご覧下さい。WANDS本誌の購入&購読はこちらから

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