日本のワイン市場は踊り場にきている。しかし、昨年「酸化防止剤無添加のおいしいワイン。」186万ケースに続き、「デリカメゾン」も100万ケースを超えた。このふたつのブランドが牽引し、サントリーワインインターナショナルの国産カジュアルワインの2018年の販売量実績は前年比109%となった。この成功のポイントと今後の展望などについて、国産ブランド部 椎木絵理 課長に聞いた。
― 国産カジュアルワインの成功の要因は、どこにあるとお考えでしょうか?
「まず、国産カジュアルワインが目指しているワイン文化とミッションについてお話しします。原点はやはり、創業者の鳥井信治郎の情熱にあり、その考えを引き継いでいます。海外の文化を日本人の嗜好に合わせて作り、楽しんでいただきたいと思って成り立っているのがサントリーです。当時、このまま出したら酸や渋みが強すぎるから、と出来あがったのが赤玉です。ですから赤玉も、基本的な骨格は変えていないものの、時代にあった味わいに変えてきています。本来輸入ワインもそのままでおいしいのですが、より日本人の食生活と嗜好に合ったワインを提供するのが私たちのミッションであると考えています。日本の生活に根付かせたい、というのが強い想いです」。
― 伸びの理由はどこにあるのでしょうか?
「ワイン市場は奥行きも間口も閉塞して横ばいですが、国産カジュアルワインは伸びています。今は間口を広げることにフォーカスして、今までにはない飲み方を提案していくのが重要だと考えています。飲むシーン、容器や容量、などを含めての提案です。<国産カジュアル>という名前を敢えて使っている理由は、輸入ワインの廉価品というふうに受けとってほしくないからで、あくまでもカジュアルに、気軽に飲んでほしい、と願ってのことです。実は、ワインのヒエラルキーの一部ではなく、国産カジュアルは全く別物として考えています。例えば<カルロロッシ>は、デイリーワインのカテゴリーで酸やタンニンもあるワインで、国産カジュアルのライバルではありません。国産カジュアルは、一貫して日本人の食卓に合う味わいを追求しています。常に消費者の声を確認しながら、酸やタンニンが突出しないように工夫し、心地よく感じていただける甘みのある味わいに仕上げています。割れなくて軽いペットボトル、開けやすくてリキャップもできるスクリューキャップも使い勝手がよいと好評です」。
つづきはWANDS 2019年4月号をご覧ください。
4月号は「日本のワイン市場を読む、拡がるウイスキー市場」特集です。
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