毎年のように畑を増やす ブルゴーニュのライジングスター ハイツ・ロシャルデ

アルマン・ハイツの初ヴィンテージは2013年。5つのアペラシオンでスタートした。ドメーヌ名は「ハイツ・ロシャルデ」。母方のロシャルデ家が所有していた畑を受け継いだためだ。その後、毎年のように畑が増え、現在所有するアペラシオンは16。「アルマン・ハイツ」の名でネゴスものも手がけるほか、義理の兄と共同で、ジュリエナにも畑を購入した。まさにブルゴーニュのライジングスターである。

所有するクリマはムルソー1級ペリエールに特級シュヴァリエ・モンラッシェ、ヴォルネイ1級タイユピエやポマール1級リュジアンに、モノポールのポマール1級クロ・デ・プテュールなど粒ぞろい。なぜこれほどの銘醸クリマを有するのか? それを説明するにはロシャルデ家の歴史をひもとく必要がある。

 アルマンの家系は1857年のニエ・ヴァンテイ家まで遡り、南はサントネイから北はクロ・ド・ヴージョまで広大なブドウ畑を有するネゴシアンだった。しかし、19世紀末のフィロキセラ禍により、多くの畑の売却を余儀なくされたという。

「当時はミュジニーまで所有していましたが、コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエに売ってしまいました」とアルマン。

 

(中略)

 

17年はシャサーニュ・モンラッシェのシュヌヴォット、モルジョの赤白を加え、またモルジョの中でもテット・デュ・クロというリュー・ディのものはモルジョと別のキュヴェで瓶詰め。18年はポマールにブルゴーニュACのほか、ボーヌ・ブーシュロットも加わった。さらにピュリニー・モンラッシェとシャサーニュ・モンラシェの東に隣接するコルポー村の0.8ヘクタールの畑では、なんとソーヴィニヨン・ブランの栽培を始めたアルマン。この先がますます楽しみな造り手である。

(Tadayuki Yanagi)

 

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