ロマーニャ 古くて新しいワイン産地の今

2月、ロマーニャワインの中心地ファエンツァで、サンジョヴェーゼの最新ヴィンテージを利く試飲会、ヴィニ・アド・アルテが開催された。出展したのは57ワイナリー。規模は小さいが優れたワインが揃う。このイベントを通して見た、ロマーニャの今の姿をレポートする。

毎年2月、およそ十日間にわたりサンジョヴェーゼの新ヴィンテージのお披露目会が開催される。アンテプリマ・ディ・トスカーナ。キャンティに始まり、ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノへ。世界中からジャーナリストや業界人が集まる一大イベントだ。しかし、このサンジョヴェーゼの旅がアペニン山脈を超えてロマーニャまで続いていることを知る人は多くない。同じサンジョヴェーゼの産地だというのに、参加するジャーナリストの数は40名弱。サンジョヴェーゼの栽培が1672年までさかのぼる歴史ある産地で、サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャとして67年にDOCに昇格、さらにはイタリア初の白ワインDOCG産地だというのに、なぜロマーニャは遅れをとってしまったのだろうか。

その理由を、ファットリア・ゼルビーナの当主クリスティーナ・ジェミニアーニは、「協同組合の力が強かったから」と言う。「ロマーニャは教皇領だった歴史が長く保守的な土地。個人よりも共同体が優先され、作物を農協に売る伝統が長く続いた。またブドウ栽培は果樹園の一部だったため量産がよしとされてきた。品質に目が向くようになったのは、国際市場でイタリアワインが注目されるようになった90年代に入ってから。このころからやっと元詰めを始めるワイナリーが増えてきた」。たしかに、今回紹介するワイナリーも、その設立はほとんどが90年代以降。それまではブドウを農協に売るか、醸造してもダミジャーノでの直売をしていたところばかりだ。

また、元詰めが増えた90年代は、世界的に新樽を効かせたワインが流行っていたため、新規ワイナリーもこれに倣ってワイン造りを。結果として、テロワールと向き合うことが二の次になり、ロマーニャのサンジョヴェーゼたるワインの個性の確立が遅れてしまった。これもトスカーナに遅れをとった理由だと考えられる。

しかし……。(Megui Nishida)

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