カクテルを通してブランドの真髄を探る Havana Club

<歴史ある地カクテル カンチャンチャラハバナクラブ 7年でモダナイズしてカンチャへ>
カンチャ × Havana Club  Habana Club 7YO
中山篤志さん(Bar Lamp江刺幸治さん(SPIRITS BAR Sunface SHINJUKU

 

ラムベースのカクテル、カンチャの魅力について、日本ラム協会理事、中山篤志氏(東京・銀座「Bar Lamp」)と2018年ハバナクラブカクテルグランプリ日本代表、江刺幸治氏(東京・新宿「Spirits Bar Sunface Shinjuku」のお二人に語り合っていただいた。

カンチャンチャラのはじまり

──まずは多くの人にとってまだ耳馴染みのない「カンチャ」というカクテルについて説明をお願いします。

中山 カンチャの元はカンチャンチャラというカクテルです。これはキューバ中央部の町、トリニダードにある1740年創業のレストラン・バー「ラ・カンチャンチャラ」に行かないと飲めないのです。例えばハバナで「カンチャンチャラをくれ」と注文しても誰も知らないと思います。それほどローカルな存在です。歴史的な話をしましょう。キューバがスペインからの独立をかけて戦った独立戦争(1868-1902年)の時代に、トリニダードでアグアルディエンテに蜂蜜とライムを搾ったものを兵士たちに与えていました。これが戦後、トリニダードの“地カクテル”として定着したのです。

江刺 アグアルディエンテは、サトウキビを材料とした、ラムになる前の段階の蒸留酒ですね。このカンチャンチャラのモダンバージョンがカンチャということになります。カンチャのベーシックなレシピは、ハバナクラブ7年をベースに、ハニーウォーター(蜂蜜をお湯に溶かしたもの。蜂蜜とお湯の割合は1:1)、ライムジュース、スパークリングウォーター。ガーニッシュとしてカットライムを添えるというものです。

 

ハバナクラブ 7年を使う理由

──なぜカンチャのベースラムは「ハバナクラブ7年」なのでしょう?

中山 世界中にこのカクテルを展開しようとする時に、ハバナクラブにはフランスの資本が入っているので、どこでも手に入りやすいという経営戦略的な理由があったと思います。「7年」にしたのは、ラグジュアリー感を出すため。私にとって「ハバナクラブ7年」は、ど真ん中の味わいという存在で、ブレがないのが良いと思います。

江刺 最近はエイジド・ラムのモヒートを出す店が増えるなど、熟成感のあるダークラムをベースにするのが世界的に流行っていますからね。バーテンダーとしては、熟成を経たラムの方がブランドの個性が出しやすいということもあります。

(中略)

ふたつのオリジナル・カンチャ

──お二人それぞれのオリジナル・カンチャのポイントを教えてください。

中山 私のレシピはベーシックカンチャを土台に、ジンジャービアやエッセンスオブキューバ(ハバナクラブのビター、非売品)の「アロマティックリーフ」、ローズマリーを加えます。基本形にどういう風にアクセントを付けていったらいいのか、ヒントを提供するつもりで考案しました。またカンチャというカクテルの自由度の高さを示したつもりです。ラムのカクテルは甘いというのが常識ですが、甘くないところで勝負することもできるというところを見せたいという思いもありました。

 

 

江刺 私のレシピは逆に、ベーシックカンチャから大きく離れたデザート・カクテルにして、こういうところまで離れてもカンチャと呼べるんだよというのを示しました。卵白やシナモン、エッセンスオブキューバ(コーヒー)を使って、2層のフォーム表面を覆うような構成になっています。 (Yasuyuki Ukita)

中略部分とつづきはWANDS 2019年5月号をご覧ください。
5月号は「カクテル」「イタリアワイン」特集です。
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