「ラ・スピネッタ」のジョルジョ・リヴェッティがアルタ・ランガの「コントラット」にかける情熱

コントラットの名声

「コントラット」はピエモンテの人にとってラグジュアリー・ブランドのひとつで、カネッリにあるコントラットの地下セラーは世界遺産に登録されている。19世紀半ばから後半にかけて建てられた館は改装してあるが、地下セラーは当時のままだという。

1867年の創業当初からスパークリングワイン専門の生産者で、アンセストラル製法によるモスカートだけを造っていた。その後、辛口嗜好への流れを受けて1900年初頭からシャルドネとピノ・ノワールを植樹し始め、モスカートは減少の一途を辿った。その頃は主体となる品種はシャルドネだったようだ。「コントラット エクストラ・ブリュット1919」は、イタリアで初めて瓶内二次発酵により造られた収穫年付きのスパークリングワインだった。また、バローロやバルバレスコなどのスティルワインを造っていた時期もあり、ピークであった1980年代には年間生産量が60万本まで増えていた。

1993年からグラッパの会社ボッキーノが購入したが、あまりワインには注力しなかったため、徐々に翳りを見せ始めた。そして、ボッキーノのオーナーがコントラットの核ともいえるスパークリングワインについて相談した相手が、友人のジョルジョ・リヴェッティだった。彼は大のシャンパーニュ好きで30年来シャンパーニュ地方へ足繁く通うほど。しかも、ラ・スピネッタで1,000本強の瓶内二次発酵によるスパークリングワインの試作を続けていたのだ。そして、ボッキーノから栽培と第一次発酵について任されることになった。しかし、二人の考え方には温度差があった。ボッキーノがネゴシアン・マニピュラン的な考え方なのに対し、ジョルジョ・リヴェッティは彼の他のワインと同様にレコルタン・マニピュランあるいはドメーヌ的な考え方、まず畑ありきなのだ。

そしてついに、ピエモンテが誇る「コントラット」は2011年にジョルジョ・リヴェッティが購入することになり、その名声の復活に着手することになった。かつてはスティルワインも造っていたが現在は上質スパークリングワインに特化している。

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