2019年上半期 スパークリングワイン市場の動き 欧州産は値下げ効果で売れ行き好調

2000年代に入ってワイン消費の伸びを牽引してきたスパークリングワイン。ここ数年はやや伸び率が下がってきたとはいえ、依然として増勢基調がつづいている。

WANDS推計によると、昨2018年はスティルを含む輸入ワイン総市場2659万ケースのうち、スパークリングワインが占めるシェアは15%。また、小売価格ベースでの輸入スパークリングワイン市場は1493億円と推定され、輸入ワイン全体の推定市場規模4960億円に対しては30.1%と、酒類流通業界にとっていまや欠くことのできないビジネス商材となっている。シャンパーニュの需要は相変わらず旺盛だし、中低価格帯スパークリングも“ プチ晴れの日”の家飲用通年商材としての存在感を増している。

こうしたなかで迎えた2019年。市場の関心は、2 月1日からの日欧EPA協定発効に伴う欧州産ワインの一斉値下げ効果がワインの総需要をどこまで刺激し押し上げるかに集中している。とりわけ、欧州産スパークリングワインは750ml当たり136円分の関税がゼロとなったことから、量販店店頭では年初から先取りで欧州産スパークリングワイン全品一律200円引きなどの還元セールを実施。輸入業者サイドでも既存商品の出荷価格引下げとともに、中低価格の新規スパークリングワイン投入が相次いでいる。

この結果、今年3月までの市況はスパークリングを中心に欧州産ワインの販売好調が伝えられるが、一方で他国産ワインは市場からはじかれた格好。「3月までは低価格カバに量販店の棚がとられ、商談のテーブルにも着くことができなかった」「昨年4月の値上げ前仮需の反動もあり、(最大ボリュームを占める)チリ産ワインはスパークリングを含め苦戦した」との声も聞かれる。

4月に入り量販店における偏った棚レイアウトも見直しの動きが見られ、5月の10連休を前にして小売店、料飲店ともに各国産ワインの仕入れを厚くした。しかし、その後は記録的な猛暑疲れもあってか在庫が十分に捌けていない。いまのところ欧州産ワインを除けば全般に活気に乏しく、「日欧EPAが起爆剤となって、ワイン市場全体の再活性化へ」との期待は空振り気味。市場の行方はもう少し時間をかけて見ていく必要があるだろう。

 

財務省関税局がまとめた2019年1月~4月のスパークリングワイン輸入通関数量は表のとおり。今年1月まではEPA発効を前にして欧州産品を中心に輸入量が抑え気味だったが、2月49.4%増、3月25.7%増、4月40.4%増と大幅増加が続いている。

 

つづきはWANDS 2019年6月号をご覧ください。
6月号は「夏のスパークリングワイン」「ビール」「チリワイン」特集です。
ウォンズのご購入・ご購読はこちらから
紙版とあわせてデジタル版もどうぞご利用ください!

関連記事

ページ上部へ戻る