ユニ・ブランを使ったヴァン・ド・ペイ コート・ド・ガスコーニュ ドメーヌ・デュ・タリケ

スペインと国境を接するフランス南西部、ガスコーニュ地方はアルマニャックの産地として知られているが、ここでドメーヌ・デュ・タリケが素晴らしい白ワインを作っている。2012 年に現オーナーのグラッサ家がタリケのエステート取得100 周年を祝って開催した夕食会に招かれたが、その折にピュアーで味わいのある白ワインが5 ユーロを切る消費者価格で販売されているのを知り衝撃を受けた。

アルマニャックに使うユニ・ブランを使って白ワインを作ったのがヴァンドペイ(IGP)、コート・ド・ガスコーニュの始まりで、栽培地域はアルマニャックの生産地域と重なる。中心地はアルマニャック職業委員(BNIA)が置かれているエオーズ。ドメーヌ・デュ・タリケはこのエオーズの町から車で10 分ほどの場所にある。

 

1912 年にドメーヌ・デュ・タリケを取得したピエール・アルトーはピレネー山脈の麓、アリエージュ県の出身で、現在のオーナーであるアルミン&レミー・グラッサ兄弟の母方の家系を遡ること4代前の祖先にあたる。ピエールは山間地方の伝統的な仕事として続いていた熊の調教を行い、全国を見世物興行師として回っていたが評判がよく、英国、さらに米国にも出向き興行を行ったという。そして、ニューヨークでバーマンの職を得た息子のジャン・ピエールとともに倹約に努め、そこで得た資金を元に生まれ故郷に近いエオーズに購入したのがドメーヌ・デュ・タリケだ。(T. Matsuura)

つづく/これ以降の内容

<低温発酵法とスキンコンタクトの挑戦>

<プティ・マンサン、グロ・マンサンを使った甘口白ワイン>

<酸化を避け収穫直後からスキンコンタクト>

<最新鋭薬剤散布機により使用量を40%削減>

<2015年産は均質で内容があり近年にない素晴らしい出来>

<アルマニャックの蒸留、ブレンドにも独自のノウハウが>

につきましては、「ウォンズ」本誌「11月号」P.24〜29をご覧下さい。WANDS本誌の購読はこちらから

画像:アルミン(右)とレミー(左)の母親(中央)は、ベルリン出身。二人ともドイツ語、フランス語のバイリンガルだ。アルミンはトゥルーズで農学を修めた後、ブルゴーニュで栽培・醸造を学んだ。また、ロワールのサンセールで、アルフォンス・メローのラ・ムシエールの造りに携わったこともある。ドメーヌ・デュ・タリケで2003年から働き始めたが、相続手続きを行い正式に引き継いだのは2008年。それまでは、1999年に買収したドメーヌ・ライテールを弟のレミーと共に経営していた。

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