アルゼンチン「エル・エステコ」新商品と 京料理「本家たん熊」のスペシャル・ペアリング

 

アルゼンチン北部サルタのワイン「エル・エステコ」のチーフ・ワインメーカー、アレハンドロ・ペパが、いくつもの新商品を携えて来日した。

京都の名店「本家たん熊」の若主人・栗栖純一が、それぞれのワインに料理を合わせた。

 

エル・エステコのホームページを開くと、トップページにグーグルマップでワイナリーがマークしてある。それをどんどん縮小してみたらよくわかった。このワイナリーのあるカファジャテはアルゼンチンの北詰に位置しており、首都ブエノスアイレスやワイン産地で有名なメンドーサよりもボリビアやパラグアイの国境の方が近い。

 

カファジャテはカルチャキ・ヴァレーの中心地にある。エル・エステコはここにブドウ畑を約480ha所有している。標高1,700〜3,200mの高地なので、緯度は低いけれども冷涼で、気温の日較差が大きい。陽光は亜熱帯(南緯26度)の日射量と日射角なので、紫外線が強くブドウは早く成熟する。カルチャキは東西を3,000m級の山脈で挟まれており、年間降水量はわずか200mmほど。地下水と雪解け水を駆使して畑を灌漑している。特殊なワイン産地である。

 

この地球の裏側から到着した個性豊かなワインが、京都の伝統的な日本料理と出会った。栗栖は冒頭でこう説明した。

「わざわざワインに合わせるのではなく、伝統的な料理をそのままお出しする」。

しかし驚いたことに、その組み合わせには違和感など微塵もなく実に自然な対面であった。

El Esteco Blanc de Noir 2017

八寸:鯛笹巻寿司・がり・白ずいき胡麻酢和え・蛸やわらか煮

アレハンドロ・ペパ カファジャテから南に80kmのチャナルプンコの畑に1996年に植樹したピノ・ノワールを100%使ったブラン・ド・ノワール。コンクリートタンクとステンレスタンクを半々で醸造している。

栗栖純一 ブラン・ド・ノワールは、蜜りんご、いちご、桃の香りがして、黒ブドウ由来のスパイシーさも感じられ、味わいは白ワインよりリッチで赤ワインより控えめ。この複雑な要素を生かして、しっかりした味と繊細な味が混在する八寸と合わせた。例えば、お寿司の甘みとワインのフルーツ感、タコとワインそれぞれのボリューム、胡麻酢の酸味とワインの酸が自然に合う。白ワインの要素と赤ワインの要素の両方を持つこのワインは万能なので、ぜひとも様々な料理と楽しんでいただきたい。

【評価】ピンク色を帯びた「ブラン・ド・ノワール」を飲むとお寿司の木の芽の香りが広がり美味しさが倍増した。
(photo by Tadayuki Yanagi)

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