ときめきの体験 バンケット・オブ・ネイチャー by ペリエ ジュエ 前編

どのようにしたら感動を正確に伝えられるだろうか。一杯のシャンパーニュのおいしさを、言葉を使わず、事細かに説明するのではなく、実際に感じとってもらうには。エミール・ガレが描いたアネモネ(秋明菊)の花のボトルでお馴染みの『ペリエ ジュエ』第8代最高醸造責任者のセヴリーヌ・フレルソンさんは、こう言う。

「シャンパーニュの表現にはテクニカル用語を使いがちです。ただ、国によってその言葉に対するイメージが異なることがあります。でも、この方法なら皆さんと一緒に感じることができると思います」。さて、セヴリーヌさんが編み出した革新的なテイスティング エクスペリエンスとは。

 

バンケット・オブ・ネイチャー センソリアル・エクスペリエンス

日本初の「バンケット・オブ・ネイチャー by ペリエ ジュエ」は、箱根町強羅の雄大な自然に囲まれた「ニコライ バーグマン 箱根 アトリエ」にて行われた。

セヴリーヌさんが考案した「バンケット・オブ・ネイチャー」は、センソリアル・エクスペリエンス(感覚的体験)とガストロノミック・エクスペリエンス(美食体験)の2つで構成されているが、ここでは前者をご紹介する。これは、「自然と自然のサイクルの大切さを体験してもらうもの」。ブドウは母なる大地「テロワール」からの恵みを受け、「萌芽」し、「開花」して実を成して、成熟する。このようなブドウ畑で起こっている自然のサイクルからインスピレーションを得たと言う。

繊細で花を思わせるまさにフローラルなアロマとエレガンス。そのペリエ ジュエならではの個性を一体どのように体感させてくれるのかワクワクしていると、テーブルにトレーが運ばれてきた。

 

花の香り Perfume of Flower 〜テロワール〜

真っ白な石と液体が入った小さなボトル。石は、シャンパーニュ地方を形成する土壌の白亜質、つまりチョーク(石灰石)だった。3つの石に3種類の液体を数滴垂らし、それぞれの香りの違いを比べてほしいと言う。液体は3つの花のアロマだった。

ヤグルマギク:とてもデリケイトな香りで、少しミントに似たスッとする香りだった。「精密さ、花のセンセーション、フレッシュ感、ミネラル感、テンションなど、ペリエ ジュエ ベル エポック ブラン・ド・ブラン 2012に感じられるシャルドネのとても細やかな部分を表している」と、セヴリーヌさん。

ジャスミン:ジャスミンは、まさに「花」を表現した魅惑的で華やかな香り。

スミレ:まろやかな印象の香りで、これは「ヤグルマギクのようなエレガンスとジャスミンのようなフローラルさを組み合わせた香り」だと言う。

ブドウが根を張るチョークに花の香りを映し、そこから立ち昇る香りをとる。いずれもペリエ ジュエが内包する花のニュアンスやミネラル感を、ペリエ ジュエを飲まずして感じられるという面白い体験。そして、ペリエ ジュエが生まれるおおもとはこのチョーク質の土壌である、と実感させてくれる。さらに、チョークの純白や少し湿度感のあるデリケイトな触感もまたこの地ならでは。

 

花の感触 Touch of Flower 〜萌芽〜

2つ目のトレーには、3つの花瓶に1輪ずつの白い花と葉っぱ。こちらも香りをとるのかと思ったらそうではなく、手で触ってほしいと言う。

ホワイトカーネーション:薄い花びらが何層も重なるカーネーションは、柔らかくてふわりとした手触りだった。「デリケイトで、柔らかくてエアリアンな様子」を表したもの。

エンジェルウィングス:短くて繊細な白い毛で覆われた厚みのある葉で、「天使の羽」のようにふわふわとした手触りがとても心地良い。「ビロードのようなデリケイトさ」を表している。

ホワイトオーキッド(胡蝶蘭):貴重な胡蝶蘭の花は正直触ったことがなかった。セヴリーヌさんの指示に従って、外側の大きな花びらの部分と内側の小さな部分を両方触ってみた。外側はツルツルとして繊細な印象ながら、内側は硬い。セヴリーヌさんは「外側はデリケイトでシルクのようなテクスチャー。そして垂直さを思わせる内側はミネラル感に似ています」と解説した。

花の触感の体験は、クラシックなヴィンテージ2013年の「ペリエ ジュエ ベル エポック」のテクスチャーを体感するのが目的だった。ワインやシャンパーニュにおいてこのようなテクスチャーにフォーカスする体験をしたのは初めてで、目から鱗。またブドウの成長サイクルにおいては、春になり樹液が上っていく萌芽、目覚めの季節を象徴するものでもあった。

 

花の味わい Taste of Flower 〜開花〜

3つ目のトレーには、2種類の花とピンセット。それぞれ、まず花びらを食べ、次に花びらとともにおしべも食べてみてほしいと言う。お料理に添えられたエディブルフラワーは食べたことがあるが、花だけをじっくり味見したことはなかった。セヴリーヌさんは、「ペリエ ジュエ ベル エポック 1999」の味覚の一端を、この花で再現しようとしたと言う。1999年は、例外的な日照りがあったり日食があったりしたヴィンテージだ。

ホワイトパンジー:花びらはしなやかな触感でそれほど特殊な香りや味とは言えないが、おしべも一緒に食べると香りが一気に増した。「絹のようなデリケイトさ」を表したものだった。

キンレンカ:キンレンカもおしべも一緒に食すと強さが増し、ほのかな苦味や辛味が感じられ、カイワレやワサビを思わせた。「1999年は熟成していながら、今なおフレッシュでミネラリー」な様子を表現した。

 

セヴリーヌさんは最高醸造責任者だが、ブドウ畑も頻繁に訪れる。とくに収穫が近づくと毎日のように畑を歩き、ブドウを食べて成熟具合を確認する。それは「直感」を得るのにとても大切な時間なのだと言う。自然の中で感じるインスピレーションが、その後のワイン造りやブレンドなどの工程に影響する。すべては自然との共生、自然との対話から始まる。このセンスが、今回の五感をフル活用した体験の考案に結びついたようだ。

ペリエ ジュエの魅力を新たに発見できるときめきの体験、センソリアル・エクスペリエンスは、今後、消費者向けのプログラムが予定されている。最新情報は公式ニュースレターにて。

(Y. Nagoshi) 中編・後編へつづく

関連記事

ページ上部へ戻る