日本&オレゴンのコラボレーション・クラフトビール「F2H2F Hop Wheat」 @スプリングバレーブルワリー東京

オレゴン州はアメリカの西海岸、ワシントン州とカリフォルニア州の間に位置している。ワイン好きにとってはピノ・ノワールの銘醸地として知られているが、オレゴン州のポートランドはクラフトビールのブルワリーが世界一多い都市だという。そして今春、日本とオレゴン州のクラフトビールイベント「Hood to Fuji」が渋谷で3年ぶりに開催されて大変賑わった。

このイベントではポートランドと日本のブルワリー各20社が、それぞれタッグを組んでコラボレーション品を造り披露した。代官山のスプリングバレーブルワリー東京の今回のお相手は”Migration Brewing”。あらかじめオンラインで意見交換してレシピを考案し、出来上がった「F2H2F Hop Wheat」を、イベントだけでなく代官山で4月20日から数量限定で発売している。どのようなビールなのか、スプリングバレーブルワリー東京のヘッドブルワー、古川淳一さんに聞いた。

 

「F2H2F Hop Wheat」の鍵となるのは2つのホップ。オレゴン産の「Luminosa」と日本産の「IBUKI」を用いて、「若い世代やクラフトビールを飲み慣れない人たちにも楽しんでもらえる香味を目指した」と古川さん。

「Luminosa」は、桃や洋梨のような甘い香りが特徴のホップで、これまで日本では使われた例はない。一方で「IBUKI」は華やかで柑橘のような香りを備え、アメリカでは使われたことはないという。

さて実際に味わうと、本当に桃や洋梨のような熟した甘い果実の香りがふわりと立ち上る。なめらかな口当たりで泡もシルキーで細やか。そして爽やかな後味で、さらりとして清々しい。香りが魅惑的で苦味が少なくスキッとしているので、ビールそのものを飲み慣れていなくても抵抗なく飲めそう。狙い通りの仕上がりだと思う。

 

「ビールだけでなくほかの酒類も含めて、果実などの香りに対する需要が高まっている」と古川さんは感じているようだ。振り返れば日常生活においても、部屋で使うさまざまなアロマ関連商品が年々増えている。「F2H2F Hop Wheat」なら香りで癒され、すっきりとした後味でリフレッシュ。リラックスモードにちょうど良いかもしれない。

 

ところで、暗号のような「F2H2F Hop Wheat」とは何を意味しているのだろうか。ポートランドからはHood(フッド)という美しい山が見える。そして日本には富士山がある。だから日本で行われるこのイベントには「Hood to Fuji」と名付けられている。「F2H2F」は「Fuji to Hood to Fuji」の略文字なのだそうだ。そのココロは、「Luminosa」の片親が日本生まれの「ソラチエース」で、今回日本に帰ってくることになったから。納得です。お帰りなさい! (Y. Nagoshi)

スプリングバレーブルワリー東京

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