チリの冷涼産地アコンカグア・コスタ&ヴァレーで造る「アルボレダ」

<冷涼なアコンカグア>

アコンカグア・コスタは太平洋から12kmで、冷たいフンボルト寒流の影響を受け冷涼な気候にある。カサブランカ・ヴァレーより更に積算温度が低い。年間降水量約350mmで、もちろん葡萄の成長期には一切降らない。

粘土ローム層の表土は30cmほどで、その下層にはスレート状態の固いシストの岩がある。ピサラと呼ばれる岩盤だ。「この土壌が冷涼な気候と相まってフレッシュさを与えてくれる。チリの産地はおよそ砂利、粘土、ローム層が多く、シストがあるのはアコンカグア・コスタを流れる川の北側だけ」。

113haのアコンカグア・コスタのチリウエ畑でソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、ピノ・ノワールを栽培し、2005年ヴィンテージの「アルボレダ」からここの葡萄を使い始めた。少し内陸の海から40kmにあるアコンカグア・ヴァレーのラス・ヴェルティエンテス畑ではシラー、カルメネール、カベルネ・ソーヴィニヨンを栽培している。ここの対岸には、セーニャの畑がある。

 

アコンカグアに流れる川は、アンデス山脈から始まるが、渓谷の幅は2〜3kmほど。夏から秋にかけて毎日、朝から夕方6時頃まで海からの涼しい風が、夜間は山から冷たい風が吹き、空気が絶えず循環している。

アルト・マイポもコルチャグアも、西に海岸山脈に遮られて海風は到達しないこと、前者は降雨量が400mmで、後者は南からの湿度の高い風が吹き降水量は600mmになるため、大きく条件が異なる。

特にアコンカグア・コスタは、朝方毎日霧がかかり、気温は12℃ほど。日中は20〜25度で最高でも30度には達しない。

ハーブやライムが香り涼しげな様子を思い起こさせる、クリスピーなソーヴィニヨン・ブラン。繊細ながら香ばしさも香り、ユズのようなフレッシュさでなめらか食感のシャルドネ。スモモのような香りで、上品で優しいピノ・ノワール。かっちりとして果実感が充実した綺麗なシラー。スパイシーでなめらかなカルメネール。ハツラツとしてフルーティーなカベルネ・ソーヴィニヨン。いずれも、清涼感のある上品な姿で、チリワインの新たな側面を醸し出している。(Y. Nagoshi)

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