ビール酒造組合の岸野専務理事、定例会見で2024年の活動方針を説明

ビール酒造組合の岸尾浩之専務理事は1月25日に定例会見を開き、今年のビール業界の課題と取り組みについて話した。
2024年のビール業界の課題は明確で、「飲酒についての理解促進、一般財源として適切な税負担、酒類業界全体の物流効率化、サステイナブルな原料調達、社会的要請への対応(環境問題、地域貢献等)、消費拡大(ビールの魅力訴求と業務用市場の活性化)など、社会との関係性を踏まえて課題の具体化、解決、訴求を繰り返す。ウェルビーイングな生活にビールが貢献できることを証明し、ビール産業の価値共創が重要だ」と述べた。

主な活動方針のうち、「アルコール関連問題」については、公正な政策を進めてもらうべく、アルコール関連の政策に関与していくとともに、製造販売する責任においての啓発活動の実施を推進していく。
WHOの「アルコールの有害な使用の低減のための世界戦略」の活動が活発になっており、世界のビール組合連合組織(WBA)や、責任ある飲酒のための世界連盟(IARD)などからの情報収集を行っている。
国内では酒中連の一員として、国税庁など関係省庁の理解のもとアルコール関連問題への意見・提言を行っている。厚生労働省の飲酒ガイドラインが2月中に発出される予定。本来の目的に沿ったガイドラインとなるよう提言を続けてきた。2024年は飲酒ガイドラインを踏まえた啓発活動内容の点検と方向性の確認、また純アルコール量の容器への表記の議論を深め、取り組み強化する。
啓発活動は、20歳未満飲酒防止の活動に引き続き取り組むほか、有害な使用の低減に向けては、適正飲酒の冊子や女性の適正飲酒啓発活動など、飲酒ガイドライン発出を受けて改編する。
公正取引推進への取り組みは、「ビール製造業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約」、「ビールの表示に関する公正競争規約」の2つの規約の適正な運用に向け、ビール業界の公正な競争規約づくりに努める。
酒税については、2026年10月にビール類の酒税が一本化されるが、それでもビールの酒税は他の酒類と比べて高く、諸外国と比べても高いことから、さらなる減税実現のために財務省・国税庁・与野党・国会議員に酒税に関する要望を行っていく。
物流効率化に向けては、国の「物流の適正化・生産性向上に向けたガイドライン」に対して、ビール酒造組合及び加盟各社で自主行動計画を2023年12月に策定し取り組んでいる。2024年問題に向けては、ビールメーカー内に限らず、国や卸業界等の支援・協力を得て業界最適な物流環境の構築を目指す。将来の酒類物流を視野に入れた卸売店との協力、協働に引き続き取り組む。
このほか、「環境への取り組み」「原料に関する取り組み」「技術力向上への取り組み」などを活動テーマにあげた。

 

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