サントリー、ジン市場倍増目指し生産能力増強 「ROKU」「翠」の活動強化

サントリーは「ジン戦略説明会」を2月7日に都内で開き、塚原大輔執行役員RLS事業部長が「2030年までに国内ジン市場を2倍の450億円規模への拡大を目指す。大阪工場に55億円を投資し、生産能力を強化する」と説明した。

 計画では、生産能力増強および品質向上に向け、大阪工場に2025年にかけて55億円の設備投資を行う。
同工場で2005年に開設した「スピリッツ・リキュール工房」の建て替え/新設するとともに、浸漬タンク5基の新設と蒸留釜4基の更新、開発生産設備の新設を行い、生産能力2.6倍(ジン原料酒生産能力は2倍)に増強する。
国内ジン市場は、サントリーが「ROKU<六>」発売で市場拡大への取り組みを始めた2017年と比較して、2023年は1.9倍規模に成長している。国産ジンの構成比は2017年が26%だったものが65%に上昇し、国産と輸入の比率が逆転。国産ジンの価格帯別では2,000円未満で「翠(SUI)」が8割、2,000円以上では「ROKU」が4割を占めている。
世界的にジンの市場規模はウイスキーの16%程度あるのに対して、日本ではウイスキーの4%ほどしかなく、さらに大きなポテンシャルがあるという。
塚原事業部長は「2023年の市場規模は推計211億円。これを、『洋酒文化の創造・発展』という創業以来の志のもと、2030年には2倍以上にあたる450億円規模に市場拡大させ、当社は345億円(2023年実績161億円)を目指す」と述べた。
2024年販売計画は、「サントリージン」(ROKU、翠、翠ジンソーダ缶合計)で前年比135%の165億円。数量ベースで「ROKUブランド計」が前年比173%の3万6,000ケース(1ケース8.4ℓ換算)、「翠ブランド計」では同133%の109万ケース。

「ROKU」は2024年に統合10周年を迎えるビーム社との“共同開発チーム”で生み出された初のグローバルブランドで、「East meets West」の象徴と位置づけ。グローバルでは、発売から圧倒的なスピードで成長し高価格帯ジン(平均売価30USドル以上)で世界3位のポジションを獲得しており、日本でも“旬を味わえる贅沢なジン”をコンセプトにマーケティング活動を強化する。新Web動画、ラグジュアリーな場所での体験イベント、バー/高級食業態を中心とした飲食店への取り組み、初の限定品「ROKU<六> SAKURA BLOOM EDITION」の販売を行う。
「ROKUサクラ・ブルーム・エディション」は複数の桜花・桜葉の原料酒をブレンド。ROKUの特徴である和素材由来の繊細なバランスは保ちながら、桜餅のような、桜の上品で甘い香り、豊かに桜を感じられる味わいが楽しめる。主にEC・業務用に向け2月20日から数量限定販売。Abv43%、700ml、希望小売5,000円(税別)。
「翠」は、以前の“バーで飲む酒”のイメージを一新し、“居酒屋や自宅で食事と一緒に飲む”訴求を継続し、ブランド立ち上げから3年で約10倍に成長。販売金額は瓶46億円、缶70億円で100億円を突破している。飲用者からの「自然で清々しい味わい」という評価を受けて、“清々しい”イメージと爽やかな味わいを、新メッセージとして強化していく。
「翠ジンソーダ缶」は昨年12月にリニューアル。より爽やかさを感じるデザイン、非加熱製法で柚子の香りをさらに強化、無糖化により後口のキレを向上させた。2月10日から新メッセンジャーとしてタレントの平野紫耀を起用したテレビCMを放映する。
飲食店に向けては、ビール樽生アドバイザーとの協働により飲用時品質の向上に取り組む。飲食店向け「特製<翠>1.8ℓPET」は翠ジンソーダ缶同様に、柚子の風味を高めた味わいにリニューアル。2月上旬から順次切り替え出荷する。

「翠」は“清々しさ”の訴求を強化、2月10日からタレントの平野紫耀を起用した新TVCMを放映。「翠ジンソーダ缶」は非加熱製法を採用し、柚子の借りを向上させて昨年12月に刷新。飲食店での飲用時品質向上に向け、ビールの「樽生アドバイザー」を活用。業務用1.8ℓPETはゆずの風味を高めた味わいに2月上旬刷新。

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