“ワインズ・オブ・ザ・サン” ギリシャの未輸入ワイン紹介

今年1月、ギリシャ人のワイン教育者アントニス・リアヌダキDipWSETが来日し、輸入元YORUGOSの運営で、ギリシャ未輸入ワインのマスタークラスを開講した。マスタークラス2日目では、ギリシャ全土より、年間生産3,000本以下の希少ワイン15種を紹介した。多くがオーガニック農法やロー・インターベーションで造られたワインだ。
「ギリシャのワイナリーはほとんどが小規模生産で、近年はオーガニック農法への転向が目立つ。暑く乾燥し、病気が蔓延しにくい気象条件もこの傾向を後押ししている」とリアヌダキス氏。

アントニス・リアヌダキDipWSET

注目品種の一例はリムニョナ。「ドメーヌ・ディ・ミガス リムニョナ 2021」は新樽で熟成し、黒い果実とキャラメルの香り。リムニョナは絶滅寸前から蘇った古代品種で「力強く骨格も強固だが、クシノマヴロのように長期熟成を待たなくてよく、近年とても注目されている」と言う。
ギリシャの代表品種クシノマヴロは、産地の個性を比較した。畑の標高が高いと「ネッビオーロのようなニュアンスを醸し出す」とリアヌダキス氏。その例の「エピロティックセラー マテルナチュラ14 2021」は低アルコールで軽快なタッチ。海に近いマケドニア地方カバラの「セイタニディス・ワイナリー シノマヴロ 2019」は、タンニンの収斂性が強くどっしりとしている。
エーゲ海の島々のワインも紹介した。「ガラリス・ワイナリー テーラ・アンペーラ アンフォラ 2022」はリムノス島のマスカット・オブ・アレキサンドリアの辛口。45日アンフォラで熟成。干しブドウや皮革の香り、後味にはっきりとしたビター感。複雑味に溢れた面白いワイン。
ネメアのアハナシオ・ワイナリーはさまざまなスタイルでの醸造に挑戦する気鋭の若手で、「ギィ・フォトス 2020」はフレンチオークの新樽で熟成、黒い果実味がふくらむ優美なアギオルギティコだ。

紹介されたワインの一部

(N. Miyata)

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