ガヴィの象徴的な存在「ラ・スコルカ」最新ヴィンテージ

がヴィの象徴的な存在である「ラ・スコルカ」は、2019年に創立100周年を迎えた。イタリアから最新ヴィンテージが届いたので、その様子をお知らせする。

 

ガヴィは、イタリアで品質の高い白ワインが造れることを世界市場に示した最初のワインだと言われている。しかし昨今は、ピエモンテの白ワインの中ではアロマティックでわかりやすいアルネイスの方が人気なのだとか。しかし一方で、それほど香りが華やかでなくとも酸がしっかりとしてミネラル感豊かな白ワインの評価が高まっているのも事実だ。ガヴィは確実に後者で、一見わかりにくい玄人向けそれに加えてアルコール度数も低めながら長期熟成も可能な白ワインだと言える。

 

さて、ラ・スコルカの3銘柄を紹介する。

Gavi del Comune di Gavi 2021

スタンダードクラスのガヴィで、比較的若木のぶどうを使用している。コルテーゼらしい、ニュートラルで繊細ながら、とてもピュアな香り。口中も上品でフレッシュで、ボーンドライでクリスプな典型的なガヴィの姿。余韻に塩っぽさやライムを感じるため、やはり新鮮な魚介類を食べたくなる味わい。

 

Gavi dei Gavi 2021

いわゆる「ブラックラベル」と呼ばれる、ラ・スコルカの代表的銘柄。樹齢60年以上のブドウを使用している。こちらも抑制された香りだが、プラスアルファの果実の熟度やなめらかな食感があり、口中で生のアーモンドが香る。

 

“La Scolca d’Antan” Gavi dei Gavi 2008

優れたヴィンテージにだけ、最高品質のブドウのみを使用して醸す特別なキュヴェ。長い熟成期間を経てようやくリリースされた。何だかまるでシャンパーニュのプレステージ・キュヴェのようだ、と思いながら試飲すると本当に似ている点があった。

バニラやキャラメルを思わせる甘く香ばしい香りで、クレーム・ブリュレを思い出した。加えてオレンジピールのような香りも。そして口中ではとてもなめらかで、テクスチャーが心地よく丸みさえ感じた。それでいて、アフターはとてもフレッシュ。泡立ちがあれば熟成感あるシャンパーニュのような印象で、時がもたらす豊かさを楽しめるアイテムだ。日本に輸入されているかどうか知らないが、”d’Antan”シリーズの”Brut”と “Brut Rosé”も造っているようだから、いつかお目にかかれることを願いたい。

(Y. Nagoshi)

La Scolca

 

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