ヴィネクスポ・アジア2024 香港で再集結!

この地域で最大のワイン&スピリッツの国際見本市「ヴィネクスポ・アジア(Vinexpo Asia 2024)」が、パンデミックによる6年間の中断期間を経て先週香港で開催され、5月28日~30日までの3日間の会期を終えて大盛況のうちに閉幕した。

「新たなつながり、新たな発見、テイスティング、そして長きにわたるパートナーシップと友情を呼び覚ますカンファレンスで大変賑わいました。これこそ、ヴィネクスポジウムとグレーター・チャイナのワイン&スピリッツコミュニティとの、まるで離れても幸せな記憶が、恋人たちを再び結ぶ映画『エターナル・サンシャイン』の精神です」とヴィネクスポジウム・グループCEOのロドルフ・ラメイズ氏は語った。

 

 

35ヵ国から1,032の生産者が出展参加したヴィネクスポ・アジア 2024には、ワイン業界関係者と1対1の関係を再構築しようと熱望し、60ヵ国から14,203人の来場者が訪れた。ビジネスマッチング・サービスはオンラインプラットフォームを通じてバイヤーと出展者間の取引を促進し、4,237件の事前商談予約が成立した。

アジア市場におけるフランスワインの重要性を反映してか、出展者の30%以上がフランスからだった。オーストラリアのワイン業界からも85のワイナリーが出展し、中国のオーストラリア産ワインに対する報復関税の撤廃を祝福した。中国市場に特化したワインメディア「Vino Joy News」の創設者兼編集者で、ワインジャーナリストのナタリー・ウォン氏は、次のように語る。「4月の関税撤廃後、オーストラリアワインの輸出は8,000%以上の爆発的な伸びを見せ、これは中国市場がオーストラリアワインに非常に大きな関心を寄せていることの現れです」。

この見本市に参加した他の出展者で上位を占めたのは、イタリア、スペイン、チリ、中国などの国である。「中国」は間違いなくこのイベントにおいてキーとなる国であり、各国からの生産者とバイヤーは、世界最大の消費市場で目まぐるしく変化する消費動向について知ろうと躍起になった。来場者の75%が中国本土、香港、マカオ、台湾市場からで、これは人々が自分たちの地域・エリアで開催される見本市へより参加する傾向が強いという、国際見本市への参加者たちの変化を反映している。ヴィネクスポジウム・グループのCEOは、この傾向を「大陸化(Continentalization)」と呼ぶ。

イベント期間中に開催された、「業界の偉人たち」による中国ワイン市場の未来に関する満員御礼のセッションで、ワジウ・チャイナの共同パートナーであるドン・シーバース氏は、「過去の『エルドラド』的アプローチとは対照的に、今日の中国の消費者に対するマーケティングでは、彼らがワインを理解し購入するのに、テクノロジーやAIを取り入れるため、より積極的で教育的なアプローチが求められています。中国のワイン愛飲家の嗜好はより洗練され、これまでの『飲んでおくべきワイン』を飲むのではなく、『楽しめるワイン』を飲む傾向が見られます。このことは、10年前にはほぼ存在しなかった白ワインの消費量が40%も伸びていることからも明らかです」と述べている。

一方、ロドルフ・ラメイズ氏は開会の挨拶で、社会政治的・経済的要因から気候変動に至るまで、業界が現在直面している様々な課題を取り上げた。またワイン&スピリッツの生産者の間で「プル型」から「プッシュ型」へと、より積極的なマーケティング戦略への意識の変化が見られると指摘し、ヴィネクスポ・アジアは彼らをサポートする理想的なプラットフォームであると強調した。

 

ヴィネクスポアカデミーにフル参加

今年のヴィネクスポアカデミーは、50を超えるカンファレンス、マスタークラス、テイスティングなどの豊富なプログラムを提供した。これらは、業界のトレンドに関する知識と理解を深めることに熱心な生産者とバイヤーの両方から喜ばれ、非常に多くの業界関係者が参加した。

「ヴィネクスポアカデミーは、専門性の追求、イノベーションの奨励、卓越性の促進、そしてもちろんヴィネクスポという見本市での体験に付加価値を与える、というヴィネクスポアカデミーの伝統を2024 年も引き継ぎました。私たちは、急速に発展するアジア市場の課題を乗り切りチャンスを掴むために、業界が今必要としているものを皆様に提供できたと確信しています」とヴィネクスポ CEO は語っている。

 

 

業界を牽引するヴィネクスポ・アジア

ヴィネクスポ・アジアは 1998 年に香港で初開催されて以来、この地域のフラッグシップ・イベント となっており、現在もアジアのワイン&スピリッツ業界の発展における原動力となっている。当見本市は現在、香港とシンガポールで毎年交互に開催されている。この 2つのイベントは、業界関係者がグレーター・チャイナと東南アジアの市場に対応する機会を提供するという点で、相互に補完し合っている。次回のヴィネクスポ・アジアは5月にシンガポールで開催される予定だ。

今回のヴィネクスポ・アジアを締めくくるにあたり、CEOのロドルフ・ラメイズ氏は「私たちは香港に戻ってこられたこと、そして皆様からこのような素晴らしい歓迎を受けたことを心から嬉しく思い ます。私たちはまるでホームに戻ってきたような気分です。この数日間で、ワイン&スピリッツ業界にとって、この地域を牽引するイベントとしてのヴィネクスポ・アジアの地位が確固たるものとなり、香港がグレーター・チャイナにおけるワイン&スピリッツのハブであることを明確に皆様に示すことができたと思います。2026年もきっともうすぐです。またこの地に戻ってきます!」と語った。

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