“アルゼンチンの情熱をワインに込める”ボデガ・ノートン

左からボデガ・ノートン オーナーファミリーのホアキン・フェルナンデス・デ・コルドヴァ・ホーエンローエ・ランジュ・スワロフスキー氏、ルベン・エドゥアルド・ミゲル・テンポーネ駐日アルゼンチン共和国大使、ボデガ・ノートンCEOのラファエル・ガルシア氏、同ヨーロッパ&アジア担当エクスポート・マネージャーのマイケル・ミュラー氏。

ボデガ・ノートンの創業は1895年。アルゼンチンワインの老舗だ。イギリス人エンジニア、エドモンド・ジェイムス・パルメ・ノートンがルハン・デ・クージョで開業し、以来100年以上のワイン造りの歴史を持つ。現在はクリスタル・ガラスで有名なスワロフスキー社のオーナーファミリーが所有している。

5月、アルゼンチン共和国大使館と輸入元エノテカの共催で、ボデガ・ノートンの試飲会が開催された。会場はアルゼンチン大使公邸。ワインとともに、アルゼンチンの重要な伝統であるタンゴとアサード(牛肉の炭火焼き)で盛り上がった。来日したヨーロッパ&アジア担当エクスポート・マネージャーのマイケル・ミュラー氏は「私たちはワインにアルゼンチンの情熱を込めている」と、力強く語った。

供されたワインの一部。左から「ロ・タンゴ・トロンテス」、「レゼルヴァ・マルベック」、「プリヴァーダ・マルベック」、「ジュルノ・ランジュ」。

 

自社畑はルハン・デ・クージョに約1,300ha。さらにウコ・ヴァレーの140の生産者、750haと契約している。標高850m〜1,300mにブドウ畑が広がり、年間降雨量は200mm程度。乾燥した冷たい風が吹き抜け、ブドウの木は化学肥料を使わずに健康的に育つという。

「ワインの品質の95%はブドウ栽培にかかっている。アルゼンチンワインの生産の70%はマルベックだが、近年は白ワインも人気を博している。特に在来品種のトロンテスはライチ、ローズ、白桃の美しい香りがあり、日本の寿司にも合うと思う」と、ミュラー氏。情熱的な名を冠した「ロ・タンゴ・トロンテス 2022」は、フレッシュなオレンジの花の香りが特徴だ。「レゼルヴァ・シャルドネ 2022」の畑はウコ・ヴァレー、標高1,300m。冷涼な気候で酸が十分に保たれる。

「レゼルヴァ・マルベック 2022」は平均樹齢50年以上の古木から収穫されたブドウを使用し、複数の区画をブレンドしてフレンチオークで12か月、瓶で6か月熟成。マルベックのフルーティな魅力が表現されている。

特別に供されたシグネチャーの「ジェルノ・ランジュ 2019」は、マルベック60%、カベルネ・フラン35%、カベルネ・ソーヴィニヨン5%のブレンドで、ウコ・ヴァレーの標高1,100m以上の畑で栽培された最高品質のマルベックのみを使用。フレンチオークの新樽と古樽で16か月、瓶で12か月熟成され、口当たりはなめらかで、しっかりした骨格と豊かな黒の果実味が特徴。スモーキーなアサードとの相性は抜群。

アルゼンチン随一のワイン造りの歴史を誇るボデガ・ノートン。この国の豊かな伝統と文化が、ワインを通じて鮮やかに感じられる会だった。

会場ではプロのタンゴダンサーによるダンスも披露された。

N.Miyata

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