2014年産ボルドー・クリュ・ブルジョワ278シャトーを認定

2014 年産を対象としたクリュ・ブルジョワ・シャトーの選考試飲会が9 月20 日、ボルドー商工会議所で行われ、翌21 日、パリで記者会見が開かれた。

 

記者会見に先だってパリのレストラン、ラセールで開かれた試飲会で、クリュ・ブルジョワに認可されたボトル約40 本を試飲した。2014 年は2013 年に続いて難しい年だが、適度な抽出と樽の使用割合を控え、軽く心地よく飲めるワインに仕上げたものが多かった。2014 年産認可シャトーは、新たに32 が加わり、5 が抜け合計278 となった。

 

アペラシオン別で見ると、メドック120(1410万本)、オ・メドック99(1190 万本)、リストラック・メドック13(73 万本)、ムリス13(80万本)、マルゴー10(86 万本)、ポイヤック4(19 万本)、サンテフテフ19(140 万本)で、昨年に比べるとオ・メドックで新たに加わったシャトーが多い。278 シャトーの生産面積は5,250ha。生産量は約3,000 万本でメドック全体の生産の33%を占める。

 

過去6 年の認可状況は、

2010 年(2008 年産対象)243(2500 万本)

2011 年(2009 年産対象)246(3200 万本)

2012 年(2010 年産対象)260(3200 万本)

2013 年(2011 年産対象)256(2800 万本)

2014 年(2012 年産対象)267(2900 万本)

2015 年(2013 年産対象)251(2000 万本)

 

2014 年産クリュ・ブルジョワ・シャトーの発表に当たって、ボルドーのアーティスト・グループが制作した1950 年代風のポップアートのロゴが紹介された。中央に描かれているのは鉄腕アトムの作者、手塚治虫の作品から着想を得たもので太陽からエネルギーを得ているクリュ・ブルジョワ・シャトーを表現しているという。

 

2003 年に247 シャトーがクリュ・ブルジョワ公式格付けを得たが、格付けから漏れたシャトーの抗議で、2007 年に格付け無効の判決が下された。その後、2011 年からアリアンス・クリュ・ブルジョワの下で毎年、目隠し試飲によって名称権を付与する制度が始まったが、長期的な視点で安定した格付け制度を望む声が強まり様々な視点から議論が交わされてきた。昨年の総会で新しい格付け創設を目指す決議がされたが、今年7 月にフレデリック・ド・リューズ会長が54 才で急逝し、その跡を継いだオリヴィエ・キュヴリエ新会長の下で、9 月14 日に改めてアリアンス・クリュ・ブルジョワ臨時総会が開催され、239 会員のうち78%に当たる185 人の賛成を得て、新しい格付けの創設に向けて本格的に動き出すことになった。

 

その骨子は、① 5 年ごとに過去5 年の試飲をして格付けの見直しを行う、② 2003 年の格付けで認められた3カテゴリー(クリュ・ブルジョワ、クリュ・ブルジョワ・シュペリュール、クリュ・ブルジョワ・エクセプショネル)を復活させる、③ 2020 年を目処にスタートさせるというもの。また、必ずしもビオ栽培を義務づけるものではないが、将来、環境に配慮した一定の栽培規定を課すことも規定にもりこまれる。

 

crubourgeoisolivierオリヴィエ・キュヴリエ会長は、

「今の制度では翌年どのシャトーがクリュ・ブルジョワに認可されるか誰も分からない。もう少し安定したシステムに移行させ、各シャトーのオーナーが長期熟成に耐える偉大なワイン作りに挑戦する野望を抱くことができるような格付け制度が必要になっている。クリュ・ブルジョワ・シャトーはグラン・クリュ・クラッセに次ぐ位置を得たいと考えており、新しい格付けで消費者の期待する品質レベルを保証することができるだろう」と語った。(T. Matsuura)

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