- 2015-8-31
- Beer
—クラフトビールについての考え方は。
これまでのナショナルブランドとは違うやり方で、新しいビールスタイル(タイプ)のブランド戦略、生産戦略、販売戦略を三位一体にして、クラフト事業を推進していこうと考えています。ビールスタイルについていえば、とても個性的で希少な原料を使うからクラフトになるとか、日本だと柚子を使えばクラフトになるとか、というのではないと思います。
例えば、醸造責任者である造り手が造りたいと思うビールを100とすると、ナショナルブランドの場合はどうしても万人向けにつくるので、最終製品になった段階で30とか20となるのに対して、そのまま100としてお客様に提案できるものがクラフトビールといえるのではないかと考えています。
—そうすると自ずと規模は小さくなる。
そうですね。小ロットにならざるを得ないという面はありますが、そこで私たちは“ナショナルクラフト”という言い方をしています。全てをひとりでコントロールするとなると非常に限られた形になる。けれどもそこは当社が培ってきた経験値というか、技術や設備を最大限に使うことで、いわゆる地ビールメーカーさんのような小ロット生産ではなくて、もう少し多くの人に楽しんでもらえるような規模を考えています。
—1バッチはどれくらいですか。
第一弾の『クラフトラベル・柑橘香るペールエール』が30キロリットルです。まず、第一弾をスタートして、反応が良ければ、もう少し大きな仕込みにしていくことも考えられます。バッチのサイズというのは、どういう人に飲んで欲しいかということで変わってきます。全員にはいらないけれども一部の人は反応するという、いわゆるニッチな市場に向けてたくさん商品をつくっても余ってしまうだけです。
最初は小さいところからが基本になります。今回は小ロット多品種生産を前提に、元は地ビールメーカーの工場であったサッポロビール那須工場を拠点にして、スタートしました。当社では飛鳥クルーズⅡの船内限定ビール『ヱビスASUKA CRUISE』など、限定で提供している樽生などを除けば、一般のビールとしては『クラフトラベル』は最も小さい規模となります。
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