ブルゴーニュの名門 5ドメーヌから5名の女性ヴィニュロンヌ来日!

サヴィニー・レ・ボーヌで名高い「シモン・ビーズ」の千砂・ビーズさんが、同じブルゴーニュで活躍する名門ドメーヌの女性ヴィニュロンヌとともに来日した。ショレ・レ・ボーヌ「トロボー」のナタリー・トロ、プレモー・プリセ「ジャン・ジャック・コンフュロン」のソフィー・ムニエ、ムルソー「ピエール・モレ」のアンヌ・モレ、モンテリー「エリック・ド・シュールマン」のドミニク・ド・シュールマンの各氏たちだ。

5名合同でセミナーと試飲会、そして華やかなディナーが開かれた。これらの会を主催した輸入元のラック・コーポレーションは司会者や通訳などすべて女性で揃えていて、女性のしなやかなパワー溢れる春らしい会となった。

セミナーで各人が語った内容をまとめてみる。

左から、千砂・ビーズさん、クリスティーヌ・ビーズさん、ナタリー・トロさん、ドミニク・ド・シュールマンさん、ソフィー・ムニエさん、アンヌ・モレさん

 

<ピエール・モレ Pierre MOREY/アンヌ・モレ Anne MOREY>

ドメーヌ・ルフレーヴで腕を振るった父ピエールの娘で、1998年からドメーヌで父と共に働いている。

2017年&2016年:2016年は、春の霜で収穫量が激減し困難な年だった。それに比べて2017は素晴らしい年になった。

代表作:「ムルソー レ・テソン」

テッソン畑が位置しているところは丘の中腹にある。その位置にある他の畑はどれも1級だが、テッソンに限っては傾斜の関係で成熟が他よりも遅いため、村名になったと考えられている。素晴らしい景色も含めて他に代えがたい畑で、生まれるワインはエレガントでバランスよくミネラル豊かで上品。

一番大切にしている工程、あるいは新しい試み:上質なブドウをつくることが何よりも重要で(父がビオディナミの調剤を散布しているところを見せながら)、ヴィニュロンにとってブドウは子供のような存在だと言ってもいい。ワインの熟成にエルバージュ=育てるという言葉を使うのも偶然ではない。子供を育てるには教育も必要だが、何を必要としているのか聞くこと、忍耐、そして愛情がなくてはならないと思っている。

よくつくるお料理とお薦めワイン:「ウフ・ココット・オー・フォアグラ」&「ムルソー・シャルム」

ネゴスのモレ・ブランを合わせると37のAOCを造っているので、正直なところお薦めを選ぶのは大変だったので、いくつか挙げた中から選んでもらうことにした。ウフ・ココット・オー・フォアグラは、ココットに小さくカットしたフォアグラのテリーヌをパラパラと入れて、卵を割り入れる。フォアグラの半分は生クリームと煮込んでクリーム状態にしておき、このクリームも入れる。塩コショウもする。180℃ぐらいのオーブンで10分ほど焼く。トリュフがあればガリガリ削りかけて。ウフ・ココットは、フォアグラでなくても、野菜やエポワスのようなチーズでも。ムルソー・シャルムはエレガントでスパイシーさもあるので選んだ。少し熟成しているとさらに相性がよい。

 

<ジャン・ジャック・コンフュロン Jean Jacques CONFURON/ソフィー・ムニエ Sophie MEUNIER>

母がシャルル・ノエラの孫娘。1982年の収穫から父ジャン・ジャックとともに仕事を始め、亡き父の跡を継いでいる。

2017年&2016年:2016年は量は少ないが、熟度も高くフィネスもあり質には満足している。2017は質も量も素晴らしい。しっかりした色、フルーツの豊かなアロマ、溶け込んだタンニン。樽熟成中でもとても飲みやすく喜ばしい年。

代表作:「コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ レ・ヴィニョット」

ニュイ・サン・ジョルジュにもヴォーヌ・ロマネにも1級がたくさんあるけれど、拠点としているプレモー・プリセ村には、その名を冠するワインは存在していない。ただ、コート・ド・ニュイ・ヴィラージュがある。オート・コート・ド・ニュイはアリゴテなどを栽培している地区で、コート・ド・ニュイはニュイ・サン・ジョルジュなどと同じクラスの村名ワインなのに、誤解している人が多い。

コート・ド・ニュイ・ヴィラージュのレ・ヴィニョットは、ニュイ・サン・ジョルジュの1級と比べると影に隠れた存在ながら、コストパフォーマンスがとても高いと自負している。表土が浅く母岩に近く石が多い土壌で、5つのコミューンが含まれている。

一番大切にしている工程、あるいは新しい試み:アンヌの意見に賛成! 常に観察して畑の状況を見極めることがとても大切だと考えている。醸造は厳格に手を施して、時には直観力も使いながら行っている。

よくつくるお料理とお薦めワイン:「ジュー・ド・ブッフ・ピノ・ノワール ピュレとともに」

ブッフ・ブルギニヨンに似た牛頬肉を煮込んだ料理。フライパンで牛頬肉をベーコン、ニンニク、玉ねぎ、人参と共に炒めて、赤ワインをひたひたに入れて、ブーケガルニも加えて鍋ごとオーブン120℃で3時間煮込む。ジャガイモのピュレとともに食べる。

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