環境問題に真剣に向き合った結果生まれた缶ワイン「カンヴァス」

スペインからPOPなデザインの缶ワインが入ってきた。その名は「カンヴァスKanvas」。缶(Can)と白いカンヴァスに絵を描くように自由にワインを楽しんでほしい、との願いを込めた造語である。

 

缶ワインは、これまでのワインの小難しいイメージを覆し、気軽に手軽に楽しむための絶好の容器で、デザイン性も優れた銘柄が各国から続々と入荷し始めている。しかし、この「カンヴァス」の生産者であるデ・ハーン・アルテスがこの商品を開発したのにはいくつもの理由があると言う。

そのひとつが環境問題。

生物多様性促進のために敷地内に巣箱を設置。

イギリスからバルセロナへ移住したラファエル・デ・ハーンさんは、元ワインのバイヤー。2006年に会社を設立し、当初から有機栽培やヴィーガン認証を取得、使用するボトルは390gの最軽量、ワイナリーの屋根には全面ソーラーパネルで自家発電率85%、廃棄物や水のリサイクルなども積極的に行なっている。

こういった取り組みが認められ、2019年にはスペインの「ベスト・オーガニック・プロジェクト賞」を受賞した。また、「気候行動のための国際ワイナリー連盟 IWCA(International Wineries for Climate Action)」の準会員に選出され、正会員になるのも時間の問題のようだ。この団体は、ファミリア・トーレス、ジャクソン・ファミリー・ワインズらが2019年に設立したもので、大変厳しい審査を経てはじめて準会員になれるとのこと。

 

では、なぜ缶ワインが環境問題に関連しているのだろうか。アルミ缶は、100%リサイクル可能でしかも何度リサイクルしてもその性質を保てる。加えて、瓶に比べて軽量のため輸送中に排出する二酸化炭素量が大変少ないのだ。言われないと気がつかないポイントだ。

それに加えて、今どの国でも苦心している若年層にもアピールできる要素が多い。250mlサイズなので「お試し」感覚で手にとれる。ラベルデザインがオシャレでお堅いイメージがなく、これまでのワインの世界とは別の気分の上がり方を楽しめる。それだけでなく、瓶のように割れる心配がなく、簡単に手で開けられる。それに、冷やすにも時間がかからない。グラスを準備する必要もなく、片付けも楽チンだ。

ちなみに、わざわざグラスに移して飲むよりも、缶のまま飲むのをお勧めする。この「カンヴァス」も含めて缶ワインは缶のまま飲むことを前提に香味設計がされていると感じているからだ。だから、味わい重視。しかも缶から飲む方が舌先に液体が落ちるので、このカンヴァスのようなドライなタイプでも十分に果実味を楽しめる。

ラベルのデザインは、ラファエル・デ・ハーンさんの友人でイギリス人のデザイナー、マイケル・ハワードさんによると言う。白、ロゼ、赤それぞれハワードさんの友人がモデルなのだそうだ。白はオランダ人のブート(ブドウ品種はガルナッチャ・ブランカ)。ロゼはイギリス人のベン(ブドウ品種はガルナッチャ)。赤は日本人のユウコ(ブドウ品種はガルナッチャ)。さて、誰から開けたいだろう?(Y. Nagoshi)

輸入元:モトックス

 

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