- 2015-10-14
- Events, Wines, イタリア Italy

<イタリアワイン三千年>
2011年から始まり、今年で5回目となる「イタリアワイン三千年」が、この秋から始動した。年々参加イベントが増えており、今年は54の多彩な内容で約50日間にわたって開催される。10月14日に椿山荘にて記者発表会が行われた。
「イタリアワイン三千年」は、イタリア貿易促進機構(ITA)のプログラムの一貫として、イタリア大使館のコーディネートのもとで開催するもので、商談会、セミナー、テイスティング会、ソムリエ・コンテスト、そしてプロモーション・ディナーと、業界関係者を中心とするが、一部愛好家向けのものもある。食欲の秋、味覚の秋という設定も功を奏しているのだろう。
会見には、以下の人物がそれぞれスピーチを行った。
駐日イタリア大使 ドメニコ・ジョルジ氏
イタリア大使館 貿易促進部 代表 アリスティデ・マルテッリーニ氏
アッソエノロジ(イタリアワイン醸造士・醸造技術者協会)理事長 ジュゼッペ・マルテッリ氏
クネオ商工会議所 アルピ・デル・マーレ貿易支援センター ジャンニ・アイメ氏
プロモシエナ フェデリカ・サーニ氏
ソロイタリア代表 林 茂氏
ワインジャーナリスト 宮嶋 勳氏
多様なイベントの案内があったが、いくつか気になったものを記しておく。
1)アルト・アディジェにある世界最古の葡萄、樹齢350年の葡萄から、10本だけワインが造れた。そのうちの貴重な2本が日本に手持ちで(宮嶋勳氏が、わざわざ現地まで取りに赴いたようだ)持ち込まれ、10月末日から上野で開催される「ワイン展」にて展示されるそうだ。
2)10月30日に「ガンベロ・ロッソ・トレ・ビッキエーリ試飲会 2015 東京」が、リッツカールトン東京で開催される。こちらは毎年開催されているのでお馴染みになってきた。ところが、4、5年前に「ガンベロ・ロッソ」から独立した「スローフード」が、「スローワイン」という評価本と発行し始め、今年はその「スローワイン」が「ヴィーニ・デル・ピエモンテ」と組んで行う試飲会も開催される。
こちらは、11月24日で「ワインの国イタリア:スローワインとヴィーニ・デル・ピエモンテが誇る逸品」と題して、八芳園での開催となる。
どちらにも出席して、その違いなどが比べられると面白いかもしれない。
3)10月20日に、「イタリアワイン&日本料理 ふたつの文化の出会い」という林茂氏と、杉山衛氏の対談がイタリア文化会館で行われる。和とワインの関係は、今後ますますフォーカスされるテーマになるだろうと考えられるので、特に飲食関係者には興味深いのではないだろうか。
4)また、11月5日には、日欧商事主催の「第9回 イタリアワイン・ベスト・ソムリエ・コンクール」が開催される。こちらも毎年結果が楽しみなイベントだ。
- 定着したイタリアワイン三千年
- 記者会見には多くのプレスが集合した
- 携帯できるサイズの「イタリア20州別ワインリスト」
- 各州のDOCG, DOCが記され、ヴィンテージチャートも裏面にある
<ボルサ・ヴィーニ>
イタリアワイン三千年の記者会見の直後に、隣の部屋では試飲会「ボルサ・ヴィーニ」が始まった。
そこでは「クネオ商工会議所 アルピ・デル・マーレ貿易支援センター」のピエモンテのグループや「プロモシエナ」と共に来日したトスカーナのシエナ県のワイナリーらが参加していた。
後者のグループである「カステッロ・ディ・セルヴォレ」のグイド・ブセット氏は、奥様が日本人ということもあり、日本語を話す人だった。
記者会見で林氏から「生産者とインポーターとの間で、規模についてなど、ボタンの掛け違いをしてしまったところがあると感じている。コミュニケーション不足が原因だと思う。今がその調整の時期なのかもしれない」というような言葉があった。
トスカーナではワイナリーで日本人が仕事をしているところも増えているし、こちらの場合にはご当主の奥方が日本人なのだから、言葉の壁がないということだけでも、コミュニケーションを密にとる、よいきっかけになるように感じた。
ちなみにこちらは、シエナよりのキャンティ・クラシコ地区、カステルヌオーヴォ・ベラルデンガにあるワイナリーで、1990年にグイド&ノブコ夫妻が購入し、葡萄畑は40ha。キャンティ・クラシコ、リゼルヴァ、グラン・セレツィオーネの「ポンテ・ロッソ」、IGTの「バルッロ」が出ていたが、いずれも派手さはないがバランスがよいベラルデンガならではの厚みやソフトさを表現したワインだった。カベルネ・フランを植えていることも特徴だろう。
こちらは、最近コンサルタントをマウリツィオ・カステッリからジャンニ・メノッティに代えたという。理由は「トスカーナには有名なエノロゴが4、5名いる。でも、皆同じようなワインを造っている。だから、私は北イタリアを拠点とするエノロゴに」という。ジャンニ・メノッティはカステッロ・ディ・スペッサなども見ている人物だ。変更後は、ワインがより柔かくなったと感じているという。
- ボルサ・ヴィーニには25社が参加
- セルヴォレのブセット氏
- 手にしたのはキャンティ・クラシコ・グラン・セレツィオーネ(サンジョヴェーゼにメルロとカベルネ・フラン各10%)
(Y. Nagoshi)
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