アテムス×シャトー・メルシャン

アテムス醸造家のダニエレ・ヴォリエック氏が来日し、シャトー・メルシャンのチーフ・ワインメーカーを務める安蔵光弘氏との対談が行われた。どちらも長い歴史を持ち、高い品質を追求し世界で認められるワイン造りを行ってきたワイナリーであるが、特に白ワイン造りにおいて高い実績と強みを持つ。こうした特徴から、両ワイナリーの類似点や相違点を挙げながら、互いの白ワインの比較試飲も対談に合わせて行われた。

(中略)

<気候と土壌>

アテムス(フリウリ州)

アルプス山脈の中腹に位置するがアドリア海からも10kmと近く、海からの反射熱を受けて日射が強い。その一方でアルプス山脈は強風を遮断してそよ風へと調整するため、ブドウ畑に適度な冷却効果をもたらす。フリウリ州の年間降水量は約1,000mだが、降雨は主に冬に集中し、その雨が保水性のある土壌に蓄えられ、夏のブドウの成熟期に使われるため、水源として適切に機能している。フリウリのワイン造りで重要なポイントとなるのは、暑い夏をいかにコントロールできるかという点にあり、フレッシュなワイン造りのために早期収穫などの処置がとられている。土壌は、コッリオDOCエリアは海底隆起によって形成された砂岩の層であるポンカ土壌と呼ばれる珍しい土壌で、イゾンツォDOCエリアは川により角が削られ丸みを帯びた石が特徴的な沖積土壌である。

 

シャトー・メルシャン(山梨県)

シャトー・メルシャンがある山梨県もフリウリ州と同じく年間降水量は約1,000mであるが、山梨県ではブドウの生育期中の6月から8月にかけて降雨が多いためブドウ栽培にとって弊害となる。また9月から10月中旬にかけてはしばしば台風が到来し、収穫間際の秋雨はワインの品質に影響を与えるため、生産者にとっては悩みの種である。基本の土壌は富士山の火山性粘土質に由来するが、川に近いエリアでは砂利質や砂質の土壌も見られる。砂質の土壌で育ったブドウからはタンニンの多いワインが出来上がる。ブドウ栽培は伝統的に棚式で、樹勢が強い甲州は疎植で植えられている。

(中略)

ブドウ品種、テロワール、スキンコンタクトの方法が異なりながらも、それぞれが持てるブドウや知識を用いて新たな方向性を見出した作品であり、興味深い比較となった。 (Misato Inaoka)

 

中略部分はWANDS2019年6月号をご覧ください。
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