ロバート・モンダヴィのさらなる挑戦 「ロバート・モンダヴィ プライベート・セレクション」

拡がる創造性、次なるスピリッツへ

絶好調の裏には既存ブランドの堅調な伸びが基盤にあったことを忘れてはならない。

2018年の日本市場における米国産ワインの販売量は前年比76.5%(WANDS調べ)と減少傾向のところ、ロバート・モンダヴィは3ブランド(ロバート・モンダヴィ・ワイナリー、プライベート・セレクション、ウッドブリッジ)計で107%、そして2,000円以上の価格帯でも107%と、市場トレンドに左右されない盤石の強みを見せた。特にプライベート・セレクションは、セントラル・コーストの様々な気候条件のもと生育したブドウを使用、補助品種のブレンドにより主要品種の特長が際立つ魅力が一定のファン層を獲得していた。

この流れを汲みつつ加わったのが、全く新しい切り口のバーボン・バレルエイジドだった。日本人の味覚には馴染みにくいのではないかという一部の有識者の心配をよそに、「飲み心地が良い」、「焼いた肉の旨みが引き出される」など、業務・家庭市場の両方で受け容れられた。冷涼なモントレー・カウンティが育んだブドウの酸と凝縮した果実味の下支えのあるワインは、スピリッツの樽での熟成によって幾層ものフレーバーと奥行きのある複雑味を得て劇的に魅力を増す。この価格帯のワインは差別化が難しい中、明確な個性は印象に残り易く、一過性のトライアルに終わらぬ人気を博した。

この成功をベースに、プライベート・セレクションのスピリッツ・バレルエイジドとして新規に加わるのが、ラムとライウイスキーの樽を使用した2アイテムだ。

「ラム・バレルエイジド メルロー」は、ラム由来の黒糖の甘い香りにトースティなオークの香ばしさ。ダークチェリーやプルーンの果実味とココアのようなパウダリーなテクスチャー。黒糖や八角を使った豚の角煮やポークベリーのスライダーなど脂の甘みを楽しむ肉料理や、洋酒を含ませたドライフルーツのパウンドケーキと合わせたい。ダークラム熟成用の樽の多くは、一度使用したバーボン樽をカリブに送って使われるという。

「ライ・バレルエイジド レッドブレンド」は、今日の米国市場で勢いのあるレッドブレンドと、今や復権して新しさのあるライウイスキーというエッジの利いた組み合わせだ。ライ特有のハーバルなスパイシーさと、オイリーでスムーズな温かみある舌触りが共存する。セリをふんだんに入れた鴨鍋、ラム香草焼き、山椒をたっぶりかけた鰻蒲焼きに。ベーキングスパイスを使った焼き菓子をつまみながらの寛ぎタイムにも。

どちらもブラウンスピリッツを熟知し、バーボンのメジャー感から一歩外に踏み出し、語れる酒を求める層に受けそうだ。

(text: Saori Kondo)

メルシャン株式会社 お客様相談室 0120-676-757  URL

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