レストランでじっくり味わいたい、生まれ育った土地柄を映し出すヴァルポリチェッラ ベルターニ

ベルターニのアマローネが料理と相性がよい理由

2010年、2009年、2000年のアマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコ

飛田:アマローネはデキャンタしていますか?

本多:アマローネはデキャンタすると30分ほどで変化してきますね。

藤本:ペアリングの時にはあらかじめ開けておきます。特にベルターニのアマローネは、普通のアマローネよりもエレガントでスレンダーなイメージに感じる人が多いからこそ、食事にとてもよく合いますよね。

本多:王道のイタリア料理。例えば、牛肉を煮込んだクラシックな芯がしっかりとした料理と飲みたくなるワインです。表面的な香りの料理だとワインに負けてしまうから。

飛田:煮込み、食べたいですね! ボッリート・ミストとか、凄まじく相性がいいですから。反対に和食だとそこまで煮込まないですけれど、醤油や味噌などエッセンスが凝縮しているものを使うことで方向性が同じになります。ワインの熟成と醤油や味噌などの発酵食品は時制が合うように思います。時間が味わいを凝縮させるので。

藤本:チェリーの香りの奥に鉄っぽさも感じられるので、肉の煮込みはいいですね。

本多:繊維質を感じる素材の煮込みがいいですね。噛めるぐらいボリューム感があるから。

飛田:甘みや旨みがしっかりしているので、咀嚼感がある縦の繊維質がある素材の料理、いいですね。

本多:資生堂パーラーは洋食店なのでハンバーグなら普通のヴァルポリチェッラがいいですけれど、アマローネならビーフシチューやデミグラスソースを使った料理がいいですね。それから、パーラーのカレーはローストも強くて味わいもしっかりしているので、アマローネと合わせてみたいです。

飛田:カレーの肉を鹿や猪に変えてもいいかもしれませんね。タンニンが細やかなので食材に脂質がほしいというタイプではない。いいお肉を使って家庭でゆっくり1本、というのもいいかもしれません。

本多:2010年は香りの奥にマラスキーノチェリーのフレーバーがしますね。

飛田:わかりやすく飲んでもらうには2009年。反対に2010年は「ちょっとやそっとじゃ微笑まないよ」というタイプ(笑)。

藤本:古くてもオリが出ないのはベルターニならでは、ですね。長期間自然に清澄しているから。

本多:2000年の色が一番濃いですね。薬草やプーアール茶の香りも。そしてやっぱりドライ。残糖は5g/lですね。アマローネの中では相当少ない。

飛田:2000年には鴨鍋も合いそうです。

藤本:カカオとマラスキーノ・チェリーの香りがあるので、イノシシのドルチェ・フォルテも。アマゾンカカオを使った鴨料理も合わせてみたいですね。

 

*かつて力強いワインが絶賛されたが、近年はパラフルなワインは熟成させると途端にバランスを崩すことがあるが、このベルターニのようなデリケイトなワインこそブルゴーニュのようにバランスを崩すことなくゆっくりときれいに熟成するだろう、と言われるようになってきた。

長い熟成を経てからリリースされるシャンパーニュのヴィンテージ・コレクションの存在とも似ているかもしれない。

輸入元:モンテ物産

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