- 2015-12-17
- Wines, フランス France, ブルゴーニュ Bourgogne
オスピス・ド・ボーヌ競売会に先立ち、オスピス・ド・ボーヌ内の貧民の間で恒例のブルゴーニュワイン委員会とオスピス・ド・ボーヌ合同の記者会見が開かれた。
2015 年産について、ブルゴーニュ栽培家組合CAVBのジャン・ミッシェル・オビネル会長が概要を次のように語った。
2015 年を天候の面から見ると、気温が例年を大きく上回っていたことが特徴だ。とりわけ夏が暑かった。しかし、9 月は例年並みだった。また、日照時間も例年より大変多かった。冬が短く、暖かい春が来て、夏は暑く乾いていた。このように、様々な面で2015 年のミレジームを成功に導く全ての要素がそろっていた。主要な心配事は春から夏にかけて水分が不足し、これに猛暑が重なって葡萄樹に水分ストレスがかかることだった。しかし、ちょうどよい時期にわずかな雨があり、最終的には干ばつで生育が止まることはなかった。白ワインは豊かで、興味深い表現があり、申し分のない果実味がある。白の収穫量は2014 年とほぼ同様になるだろう。
赤に関しては、豊かな糖分があり、濃縮していて色が濃く、アロマがあり素晴らしい年になると思う。しかし、赤の収穫量は2015 年もまた期待したほどの水準に達しなかったと思われる。これには少し失望している。赤の収穫量は2014 年に比べ15 ~ 17%減になるのではないか。最終的に分からないが、赤、白合わせてブルゴーニュワイン全体の収穫量は2014 年産の158 万hl(約2 億1000 万本)に対して、2015 年産は150 万hl(約1億9900 万本)程度になるだろう。
また、新たにオスピス・ド・ボーヌの責任者に就任したリュディヴィンヌ・グリヴォーさんは2015 年産に関して次のように語った。
今年はうどん粉病が蔓延する危険が高まり、それを抑えこまなくてはならず簡単な年ではなかった。しかし、前代未聞の暑い天候により、生育が早く、よい成熟で収穫することができた。ほとんどの収穫葡萄はアルコール分が12.5%を超えた。しかし、2015 年産の白はワインのバランスに重要な酸が全体に弱く、早く飲み頃を迎えるだろう。
グラフは月別の平均気温を例年に比べたもので、6 月、7 月、8 月が猛暑だったことが分かる。特に7 月の平均気温が極端に高くなっている。マコンは7 月4 日に39.2℃とこれまで最高だった1983 年7 月31 日の38.6℃を上回り、8 月7 日にも39.1℃に達した。また、ディジョンも8 月7 日に37.5℃まで上がり、1998年8 月1 日の37.4℃の記録を塗りかえた。さらに3 月から8 月までに30℃を超えた日数は平年の2 倍となった。しかし、9 月の気温は平年を下回る対照的な天候だった。
月別降雨量を見ると5 月~ 7 月までほとんど雨のない乾燥した天候が続いたことが分かる。しかし、シャブリでは8 月に例年よりかなり多めの雨が降った。特に、8 月末の雷雨を伴なった雹がシャブリ・グランクリュ、プルミエクリュを含む葡萄畑を襲い局地的に大きな被害が出た。(T. Matsuura)
つづく/これ以降の内容につきましては、「ウォンズ」本誌「12月号」P.60〜62をご覧下さい。WANDS本誌の購入&購読はこちらから
画像:ブルゴーニュ栽培家組合(CAVB)ジャン・ミッシェル・オビネル会長
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