中央葡萄酒「グレイス エクストラ ブリュット2011」Decanter World Wine Awards 2016 でプラチナ賞を受賞

イギリスのワイン雑誌「デキャンタ」が開催する世界最大のワインコンクールDecanter World Wine Awards 2016 で、山梨県の中央葡萄酒が造るスパークリングワイン「グレイス エクストラ ブリュット2011」が、96点という高得点を獲得し、スパークリングワインとしてアジア初のプラチナ賞とベストアジア賞を受賞した。

欧州系葡萄品種による日本ワインがこのコンクールで金賞以上を受賞するのは初めて、という快挙でもある。

 

「グレイス エクストラ ブリュット2011」は、北杜市明野町の自社畑「三澤農場」で栽培されるシャルドネを使用したブラン・ド・ブランで、2008年より造っている。当初はシャルドネとピノ・ノワールのブレンドだったが、訳あって翌年からはシャルドネ100%となった。

手摘みしたシャルドネをホールバンチプレスして、フリーラン・ジュースをフレンチオークで醗酵させた後、瓶内二次発酵となる。瓶内熟成3年を経て、手作業でルミアージュを行い、2015年6月デゴルジュマンして1,362本が完成した。

 

emisawa代表取締役の三澤茂計は「今までこのコンクールで、アジアのスパークリングワインが金賞すら受賞したことがなかった。4月25日から29日までロンドンで開催された審査で95〜100点を獲得したワインを、後日審査員が再試飲して、各カテゴリーにおいて最も優れたワインにのみプラチナ賞が与えられる。これは例年、全エントリーの1%にも満たないことに加え、ヨーロッパ勢が80%受賞する」と、プラチナ賞の意義を説明すると共に次のように言葉を添えた。

「2011年は、とてもきれいな酸が残った年だった。そして造った本人(娘・彩奈)は海外でワイン造りを学んだが、その仲間の多くは一流の造り手たちだから、日本の小さなワイナリーである自分の立場をふりかえり、悔しさを感じているのかもしれない。だからこそストイックに、徹底した管理や取り組みをし、その結果が評価されたのではないか、とも感じている」。

 

取締役 栽培醸造責任者の三澤彩奈は、県外出張中のためあいにく記者会見には出席できなかったが、同社が定期的に発行している「グレイスワイン通信 vol.66」(6月16日号)に言葉を記しているので、一部を引用する。

 

extrabrut<<本物を造りたい>>

「2008年、初めて【 Grace Extra Brut 】を造った時から、熟成に耐えられるような本格的なスパークリングワインを造りたいと思っていました。タスマニアやシャンパーニュで研修を重ね、スタッフと智恵を絞りながら、細かくきれいな泡となるように、瓶内二次発酵を工夫してきた日々は、瓶内二次発酵の神秘に魅せられたとても楽しい時間でした。その一方で、技術を追究すればするほど、ベースワインが良いことが何よりも大切であることも感じました。」

 

造り始めた当初は、父・茂計には内緒にしていたと聞いている。その秘蔵のワインが4年で蝶のようにはばたいた。

試飲すると、熟したフレッシュなリンゴやシトラス系果実の上品な香りに、爽やかだが心地の良い酸とクリーミーな泡立ちが印象的なバランスよい味わいで、とてもピュアだ。

本数は限られているが、今後もどう変遷していくのかが楽しみだ。

 

また、今回は同コンクールで「グレイス甲州プライベートリザーブ2015」(グレイス甲州EU 輸出用ラベル)が、95点を獲得し白ワイン部門のプラチナ賞・ベストアジア賞を受賞、「キュヴェ三澤 明野甲州2015」も95点で金賞を受賞した。おめでたいトリプル受賞だ。(Y. Nagoshi)

 

ecellar追記:

現時点で不明な点は以下の通り。後日改めて、その他のプラス・アルファの情報と共に本誌ウォンズにてレポートしたい。

  1. 何か国からの出品があったのか。
  2. 日本そしてアジアでスパークリングワイン部門において、どこが金賞・プラチナ賞を受賞しているか。
  3. 今年のスパークリングワイン部門での金賞・プラチナ賞の受賞傾向は、例年同様にヨーロッパ勢が占めているかどうか。
  4. 日本の他のワイナリーの金賞以上の受賞はどうか。
  5. 受賞ワインの内、金賞・プラチナ賞の占める比率はどうか。

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