スパークリングワインの上半期市場/ついに400万ケース市場到達か? シャンパーニュの動向が鍵の一つに

2016年のスパークリングワイン輸入量はおよそ395万ケース。10年前の2006年と比べるとほぼ倍増に近い8割も増えた。今年4月までの輸入量も4.7%増と好調に推移している。市場規模がかなり大きくなっているのでスパークリングワイン全体のここ数年の伸び率は小さくなってきているが、今年の輸入量が400万ケースを超えることはほぼ間違いないだろう。

とはいえ、昨年後半から今年前半のワイン販売状況は決して好調とは言えない状況が続いている。年明け1~3月の売れ行きは前年を下回ったところが少なくない。外食全般がふるわないことに加え、消費支出全体の伸び悩みの煽りを受けて店頭での需要も今ひとつ精彩を欠いた。4月~5月にかけてやや持ち直しつつあるものの、先行き不透明感は一層色濃くなっている。「今のワインブームは2007 年からスタートしたが、それからちょうど10 年経って、次のステップに向かう踊り場に入った」とみる向きもあるようだ。

そうした傾向は、これまで高額品需要を牽引してきたシャンパーニュにも見られる。2016年のシャンパン対日輸出量は何とか100万本(750ml換算)台をキープしたものの、

前年比8%減となった。年間輸入量が前年割れしたのは2009 年以来のことだ。日本におけるシャンパン市場の5割以上を占めているモエ・ヘネシーの2016年販売実績は5ブランド併せて前年比4%ほど増加したとみられるが、ナンバーワンブランドのモエ・エ・シャンドンの販売量は微増にとどまった模様だ。シャンパーニュ全体の市場は依然として業務用が7割以上を占めていると見られるが、景気の不透明感が強い中でTOTの市場も厳しくなっている。ペイトン社長は年初の会見で、「今年は日本においてシャンパン文化を根付かせるべく、ブランドリーダーとしての責任を果たしていきたい」と語り、需要喚起に向けての積極投資を続ける意向を示した。しかし、見方によっては、それだけ経済環境や地政学的に不安定な最近の状況のなかで販売量を維持し拡大することへの危機感が強くなっているということだろう。特にドン・ペリニヨンについては、これまでのナイト・マーケット中心から、百貨店、ホテル&レストラン、一般のバーなどへの需要創出に軸足を移していく考えだ。

値上げの動きは落ち着いているが、並行品が多く、市場価格の下げ圧力が続いている。大手ブランドのNVブリュットは正規品といえども3800円程度で販売されているケースも。レコルタン・マニピュラン(RM)は300 を超えるブランドが日本で販売されているが、エクセラ価格の上昇もあって一時期ほどの勢いはない。

一方、シャンパーニュの価格上昇につれて、代替需要を増やしているのが、アルザス、ロワール、ブルゴーニュなどのクレマン。昨年の対日輸出量はロワールの44%増を筆頭に、いずれも大きく伸びた。しかし、リムーなどを入れてもシャンパンを除くフランス産AOP スパークリングワイン市場規模はせいぜい10 万ケース。強力なブランドリーダーがいないため、群雄割拠の状態だ。

低価格のヴァンムースは1000円未満で販売されている他国産スパークリングに押されている。 (以下、略)(M. Yoshino)

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