ドメーヌ・ツィント・フンブレヒト12代目当主オリヴィエ来日 世界のワイン専門誌高評価の背景に旺盛なチャレンジ精神

〈17 世紀から続く由緒あるワイン生産者〉

ドメーヌ・ツィント・フンブレヒトはアルザスのテュルクハイム村にある家族経営の生産者。今回来日したオリヴィエ・フンブレヒトは1620 年からゲベールシュヴィールでワインづくりに携わってきたフンブレト家の12 代目にあたる。

ツィントはヴィンツェンハイムの生産者の娘だった母ジュヌヴィエーヴの姓で、1959年に彼の父レオナールとの婚姻により現在のドメーヌが設立された。70 年代から90 年代にかけて大きく成長し、20 年ほど前には40haのブドウ畑を所有するまでになった。

100% エステートのブドウを使用している。所有畑は6 つの村に跨り、1/4 はグラン・クリュ。大部分はテュルクハイム村内にあるが、北に位置するユナヴィール村のクロ・ヴィンズヴュールと南に位置するタン村のクロ・サンテュルバンは65km も離れている。が、それぞれの場所にスタッフが常駐しているので、移動の無駄なく作業ができている。

アルザスの平均密植度は4,500 本/ha だが、ツィント・フンブレヒトは8,000 ~ 10,000本/ha。樹1 本当たりの房は少なく、果汁は凝縮している。平均収量は35hℓ/ha と、アルザスの平均の約半分。品種別栽培面積はリースリング33%、ピノ・グリ28%、ゲヴュルツトラミネール28%、ミュスカ3%、ピノ・ノワール1%、残りの7%はピノ・ブランとオーセロワとシャルドネの3 品種でブレンド用に使う。

ワインの生産量は、リースリングが35~40%と栽培面積よりも比率がやや高まり、ピノ・グリとゲヴュルツトラミネールが20~25%。ワインの平均年産は20 万本だが、2010年のように収量の少ない年は12 万本程度になることもある。

 

〈ビオディナミとオーガニック〉

所有畑は全てオーガニックとビオディナミ。1998 年に国際有機認証機関のエコサートから、2002 年に民間のビオディナミ認証機関ビオディヴァンから認証を取得。オリヴィエは2002 年よりビオディヴァンの会長を務めている。

ビオディヴァンはエコサートに管理を移管しており、エコサートの検査官が現場に赴き、オーガニックとビオディナミと同時にチェックを行っている。認証取得にあたっての苦労といえば、義務付けられている書類の記入所定項目が多く、記載に時間を要すること。だが、生産者が自身の仕事内容を書き留めることは振り返りになるし、50 年後になっても記録が残るというメリットがあると言う。

「オーガニックやビオディナミを実践することは、すべてを曝け出して何も隠し事をしていないことの証明だ」。 (S.Kondo)

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