「ラ・スピネッタ」のジョルジョ・リヴェッティがアルタ・ランガの「コントラット」にかける情熱

ピノ・ノワールは、除梗して回転しながら軽く破砕してフリーランのみを利用している。一切プレスしないためピノ・ノワールの搾汁率は35〜39%だという。ちなみに、ロゼとブラン・ド・ノワールは35%、シャルドネが43〜45%だ。とりわけピノ・ノワールで搾汁率が低いのには理由があった。「スパークリングワイン用のピノ・ノワールは早めに収穫する。その段階でタンニンはまだ成熟しきっていない。だから、果皮からタンニンが出ないようにするためだ」。
何より畑を重要と考えるジョルジョ・リヴェッティは、市販の酵母を一切使用していない。酵母は区画ごとに選抜して培養し、1次発酵にも2次発酵にも使用。毎年更新しているようだ。発酵はステンレスタンクで行い、シャルドネの一部は半年ほど樽熟成させたりバトナージュを施したり、ワインとしての完成度を上げる。一方ピノ・ノワールは、フレッシュさを保つために今のところ樽熟成は行っていないという。

 

Millesimato Pas Dosé 2013

ピノ・ノワール80%、シャルドネ20%。若木も使用。2013年は暑かった。48か月以上瓶内熟成。熟した白桃などの果実の香りがストレートに感じられる。フレッシュでしなやかでドライで細く長いタイプ。ピノ・ノワールの力強さが感じられるというよりは、芯の強さが徐々に現れるというイメージ。

 

Blanc de Blancs Pas Dosé 2014 Alta Langa DOCG

樹齢30年のシャルドネの単一畑。40%は樽熟成を半年ほど。樽は20hlと225ℓ。マロラクティックは温度調整でブロックしているが、成熟したブドウを使用しているため、パ・ドゼにも関わらず鋭角的なニュアンスは一切なく、ソフトでありながらとてもフレッシュ。熟した白い花、白桃、スモモ、蜂蜜などのまろやかな香り。8,000本の生産。

 

For England Rosé Pas Dosé 2014 Alta Langa DOCG

古木のピノ・ノワールのみ。ラズベリーや蜂蜜、バラの花などの華やかな香りで、ほんのりとトースト香も。柔らかなアタックで、ふくよかさも感じられる心地よいテクスチャー。エレガントでデリケイトなロゼ。9,000本生産。

 

For England Blanc de Noir Pas Dosé 2014 Alta Langa DOCG

古木のピノ・ノワールのみ。厚みがある香りで、スモモ、ミラベル、アプリコット、そしてベリー系も香る。味わいにも厚みや凝縮感が感じられるが。酸がとても綺麗で、後味が心地よい。8,000本の生産。

 

Cuvée Novecento Pas Dosé 2010

ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%。ミッレジマート パ・ドゼ2010のデゴルジュマンを遅くして、シュールリーを90か月間行ったもの。長期間のシュールリーに耐えられるように、通常のミッレジマートよりもポテンシャルの高いシャルドネを10%多くブレンドしている。今春のヴィニタリーで披露した銘柄。ほんのりとトースト香がし、大変繊細な香りと味わいで、まだフレッシュさも。15,000本。日本にも数量限定でスポットで入荷予定。

 

Riserva Special Cuvée Pas Dosé 2010

ピノ・ネーロ95%、シャルドネ5%。いずれも古木。シャルドネは7か月フレンチオークで熟成。瓶内熟成7年。7,000本のみ。2019年2月にデゴルジュマン。トースト、ナッツ、熟した果実など複雑性のある豊かな香りで、繊細さと豊かさを併せ持つ、贅沢な味わい。パ・ドゼであることも忘れるほど秀逸なバランスとテクスチャー。

(Y. Nagoshi)

輸入元:モンテ物産

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