熊本初のウイスキー専用蒸留所「山鹿蒸溜所」が竣工 2024年商品展開目指す

熊本県の「山鹿蒸溜所」(やまがじょうりゅうじょ)はこのほどウイスキー製造免許の交付を受け、かねてから建設を進めてきたウイスキー蒸留所の竣工披露を11月6日に行った。

山鹿蒸溜所は2013年創業で、旧酒蔵の遊休施設を活用し、こだわりある焼酎を製造。親会社は南九州コカ・コーラボトリングの会社分割で設立されたMCAホールディングス。グループ内の事業体制を見直すなか、近年のジャパニーズウイスキー人気を背景にウイスキー製造に転換を図った。新規事業であるためウイスキーに関する知見が深く、世界的にも品質が認められている本坊酒造の技術支援を受ける。
 山鹿蒸溜所は、蒸留所が建設面積1,158平方m2置建て、延床面積1,258平方mで、発酵タンク6㎘×5基、蒸留釜はボールネックが山鹿灯籠をイメージさせるバルジ型のポットスチルで、初留釜6㎘、再留釜3㎘。貯蔵庫は建築面積1,044平方m平屋建て、延床面積1,044平方mで、最大3,300樽を貯蔵する移動式ラックシステムを備える。ラウンジにはテイスティングができるバーカウンターとショップを併設。総工費は約11億円(うち設備関係5億円)。

 蒸留所周辺は国見山系と菊池川水系の深層地下水により良質な軟水に恵まれ、冬と夏の寒暖差が大きく湿度が高い土地柄での熟成により、山鹿の気候と自然を生かしたバランスの良いモルトウイスキー造りに挑戦する。古代より豪族が栄え近代も街道沿いの宿場町としての情緒を残す、歴史ある町に相応しい力強さと自然の美しさに加え、山鹿灯籠まつりの女性の優雅さをイメージさせる、やさしく綺麗な味のなかに力強さのある酒質を目指すとしている。

最低3年の熟成期間をとり、商品としての発売は2024年以降の見込み。世界を視野に入れたジャパニーズウイスキー蒸留所として、地元山鹿市と共生し、地域に貢献する企業となるように取り組んでいく。

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