カサブランカ・ヴァレーのパイオニア ビニャ・モランデ/カサブランカの発見から未来像まで

カサブランカ・ヴァレーから生まれるモランデのワインの一部。左から。「グラン・レセルバ ソーヴィニヨン・ブラン」、「グラン・レセルバ シャルドネ」、「モランデ・アドベンチャー デスペチャド ピノ・ノワール」、「グラン・レセルバ ピノ・ノワール」。

カサブランカ・ヴァレーを発見し、その潜在能力を引き出したビニャ・モランデ。この土地の良さを最大限に表現したワイン造りは年々進化し、止まることがない。

ビニャ・モランデは1996年の創業以来、チリワインの歴史に数々のマイルストーンを刻んできた。チリのワイン業界で最も著名なワインメーカーの一人であるパブロ・モランデ氏が設立し、常にチリのワイン史における先駆者の役割を果たしてきた。最も良く知られているマイルストーンのひとつが、カサブランカ・ヴァレーを1982年に見出したこと。今ではシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・ノワールなどの栽培適地として、チリで最も有名な冷涼産地のひとつである。この地に初めてブドウを植樹したのがモランデだった。

カサブランカ・ヴァレーは、チリ中央部の首都サンティアゴから北西約80kmに位置する。海岸山脈と太平洋に挟まれた場所にあり、チリ有数のテロワールのひとつとして国際的にも知られている。寒流が流れる海からの影響が強く、午前中は朝霧がかかり涼しく、正午には霧が晴れて午後に気温が上昇する。しかしまた日没とともに急激に気温が下がる。夏は日中30°Cまで上がるが夜間は9°Cまで下がる。日較差が大きく、ブドウがゆっくりと成熟するためアロマが豊かで酸を保持できる。

冷涼気候のカサブランカ・ヴァレーはパブロ・モランデ氏によって見出された。

また、土壌は有機物に乏しく水はけに優れている。冷涼気候である一方で、緩やかな傾斜地のため日照量にも恵まれている。パブロ・モランデ氏はこの地の驚くべき可能性を見出し、ソーヴィニヨン・ブランの苗木を初めて植樹した。カサブランカ・ヴァレーの認知度は高まり、今ではチリ最大のシャルドネの産地となった。気候と土壌の条件がシャルドネにとっても理想的で、ストラクチャーがありながらフレッシュでミネラル感も兼ね備えたワインを生み出している。モランデのライナップにおいて、「グラン・レセルバ ソーヴィニヨン・ブラン」と「グラン・レセルバ シャルドネ」は、テロワールを最大限に反映させたカテゴリーであり、エレガントで骨格のあるワインに仕上がっている。

またピノ・ノワール100%から造られるブラン・ド・ノワールの瓶内2次発酵のスパークリングワインも、素晴らしい出来である。これが世界で名を馳せたことで、カサブランカ・ヴァレーがエレガントで繊細な高品質のスパークリングワインの適地であるとの認識を確立した。さらに、ピノ・ノワール、シラー、マルベックといった赤用品種の栽培にも理想的だとわかってきた。

現在モランデは、カサブランカ・ヴァレーでいくつかのプロジェクトを展開している。「グラン・レセルバ」シリーズにピノ・ノワールが加わった。また、「アドベンチャー」シリーズの「デスペチャド(ピノ・ノワール)」と「ティラジス(シラー )」もブドウはカサブランカ産だ。この地で赤ワインの可能性をさらに新たな段階へと進めている。これらにより、カサブランカ・ヴァレーとそこから生まれるワインのプレミアム化を図ろうと考えているのだ。そして、瓶内2次発酵だけでなくシャルマ法によるスパークリングワインの生産にも乗り出した。今後もカサブランカ・ヴァレーのパイオニアとして、未来永劫この地のプレミア化を継続していくと言う。そのひとつが、カサブランカ産の最上級クラスの赤ワインプロジェクトだ。 長きに亘るこの渓谷での栽培や観察の経験を生かし、もう一段階高いレベルへ引き上げるブレンドを目指している。

輸入元募集・問い合わせ
Morandé Wine Group, Tatiana Hirsch thirsch@morande.cl https://morande.cl/web/

 

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