優れたコスパで評価の高い689セラーズのオーナー、カーティス・マクブライド氏が来日。最も新しいブランド、「サブミッション」をはじめとするアイテムを紹介した。
サブミッションは、気軽に飲める価格帯でありながら、その品種らしさや、ロゼとかレッドブレンドなどのスタイルがしっかりと主張されているワイン。複数のAVAからのブドウをバランスよく使いながら、各ワインに求めるキャラクターを実現している。
遠目に見ると何の変哲もないデザインに見えるラベルだが、実はこだわりがある。よく見るとレザー模様になっていて、撫でた感じも皮革の表面のような手触り。パッケージを決める時、何か差別化できる要素を、と資材屋と話していて、触覚でワインの上質感を表現するアイディアが気に入ったのだと言う。ターゲット層は、ワインの入り口に立ち始めたあたりからミドルエリアにいて、これから経験を増やしていきたいと思っている人々。飲みやすさだけでなく、カリフォルニアスタイルのキャラクターも打ち出したいと考えている。
写真右から順にカーティス氏がテイスティングをナビゲートした。
- ロゼ
ソノマ、メンドシーノ、ローダイ、モントレーからのグルナッシュ50%、シラー40%、ムールヴェードル10%。チェリーやキイチゴのフレッシュな酸味、色のイメージのとおり、華やかでエレガントな味わい。
- シャルドネ
ロシアン・リヴァー・ヴァレー、ナパ・カーネロス、モントレー。トロピカルフルーツの華やかな香り、カリフォルニアのシャルドネらしさを大切にした。
- ピノ・ノワール
ロシアン・リヴァー・ヴァレー。チェリーやベリー系の香りだけでなく、ラベンダーやバラのヒントがあるこのワインには紫色のラベルを配した。
- レッド
ソノマ、メンドシーノ、ナパ、ローダイ、パソ・ロブレス。プレンドのメインとなるジンファンデルの赤い果実感がラベルの色のイメージとぴったり。グルナッシュ、マルベック、プティ・シラーのブレンドにより豊かなボディ感が。
5.カベルネ・ソーヴィニヨン
ソノマ、ナパ・ヴァレー、ローダイ、メンドシーノ。カベルネ・ソーヴィニヨンにメルローとプティ·ヴェルドを少しブレンドし、フレンチオークで仕上げた。シルキーな口当たりの会心の作。
6.ラッキー・ドロー
ソノマ、ナパ、ローダイ、パソ・ロブレス。カベルネ・ソーヴィニヨン主体にマルベックを少しブレンド。フレンチ新樽30%で男性的な味わいに仕上げた。ポラロイド写真を模したラベルの質感で、古き良きカリフォルニアを思わせるクラシックモダンなスタイルを表現。
7.キラー・ドロップ
ナパ・ヴァレー、メンドシーノ、ソノマ、シエラ・フットヒルズ、ローダイ。
グルナッシュをベースに、カリフォルニアらしくフルーティに、ヘビーになり過ぎないようにシラーとプティ・シラーをバランス良くブレンド。キラー・ドロップは、これを飲んだ友人が口にした言葉。サーフィンで大波から落ちる瞬間の浮遊感と高揚感のような意味もあり、ラベルは高みに立つ足元の絵が。南カリフォルニアで育ったカーティス氏がエキサイティングに過ごした日々の思い出が詰まっている。
サブミッションは2,500円、ラッキー・ドロー3,300円、キラー・ドロップ4,200円。リーズナブルな価格帯でありながら、それぞれのブランドの世界観が表現されており、味わいの分かりやすさと複雑味も価格と比例しバランスが取れている。カーティス氏の口から頻繁に出て来る「カリフォルニアらしさ」、という言葉は、味わいを表現しているつもりなのだろうけど、こうしたマーケティング的なセンスのことも含みなのではないかと思わせる説得力があった。
(Saori Kondo)
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