【WANDS BUYER’S GUIDE】テロワールの違いが明確に表れる単一村、単一畑のバローロ

原則として、日本で売りづらいワインや今後の展開が楽しみなワインをテーマに取り上げてきたWANDS BUYER’S GUIDE。今回は少し遅れたが創刊40周年を記念して、王道的ワインをテーマとした。王様のワイン、ワインの王様といわれるイタリア・ピエモンテ州の銘酒バローロである。ゲストテイスターにはイタリアワインのスペシャリスト、宮嶋勲氏を迎え、単一村ないし単一畑のバローロをブラインドテイスティング。バローロの村、畑の解説(P53~57)も寄稿していただいた。

構成:柳 忠之

 

柳忠之(以下、柳):今回の試飲は村ごとに、カスティリオーネ・ファレット、グリンツァーネ・カヴール、ヴェルドゥーノ、ラ・モッラ、ノヴェッロ、バローロ、セッラルンガ・ダルバ、モンフォルテ・ダルバの順になっていました。
宮嶋勲(以下、宮):結果を見ると、ある程度は村の特徴が出ているのかなと思いますね。セッラルンガは独自の個性があるので、わかりやすいしウケやすい。
柳:ウケやすいんですか!タンニンが強くて、とっつきにくいと思いましたが。
宮:バローロを飲もうと思ったら、最もバローロらしいスタイルを求めますよね。
名越康子(以下、名):なるほど。緻密さや味わいの濃さが全然違いますよね、セッラルンガは……。
井黒(以下、井):僕も自分の付けた点を見ると、セッラルンガに高得点が集中してますね。
柳:1位はダントツでルイジ・バウダーナの「バローロ・チェレッタ」でした。2位とは平均点で1.5ポイント差。これだけ差がつくのも珍しい。
宮:バウダーナはヴァイラに買われたので、造ってるのはヴァイラですが、伝統派も近代派も納得させるスタイルで、そういう意味ではストライクゾーンのど真ん中だと思います。ただ今日の試飲で思いましたが、もう伝統派とか近代派といった区別がつかなくなりましたね。清潔さや栽培への力の入れ方が近代派の良いところとして残り、一方、醸造は伝統路線に回帰している。だから、あからさまに樽香を感じるようなワインはなかったと思います。
名:すごく少なかったですね。(次きは本誌に掲載)

 

続きは、WANDS 1&2月号
【特集】WANDS BUYER’S GUIDEを振り返る 特別企画バローロ
【特集】イタリアワイン
【特集】新たな時代を拓く活況のウイスキー市場
をご覧ください。
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